Case45 ページ47
私をフォローするように、
安室さんは続けた。
「恐らく犯人は石栗さんを花瓶で撲殺したあと、
数個のドライアイスの上にラケットを被せて、さらにその上に遺体の尻を乗せ、
あらかじめラケットのフレームに通しておいたヒモを部屋から出たあと、
引っ張って遺体を扉に寄せたんでしょう。
もちろん、ヒモは後で回収できるように結ばずにね…」
「どうです?」
と、安室さんは私に確認を求めてきた。
『安室さんと同じ推理です。
少し、安心しました』
ホッと胸を撫で下ろせば、
安室さんは「それは良かった」と笑みを浮かべる。
『元々、扉のそばで殴り倒しておけば、自分が部屋の外に出られる扉の隙間分だけど遺体をずらすだけで済みますから』
「そっか!」
蘭ちゃんは、ポンッと拳を手のひらに乗せた。
「だからあの部屋に行った時、足の指先がひんやりしてたんだ…」
『そう、おそらくそれがドライアイス』
「なるほどな」
蘭ちゃんパパはテーブルに肘をかけ、
ニヤリと口角をあげた。
「ドライアイスの存在を裏付ける証言をした真知さんや、眼鏡のボウズが石栗さんの部屋にいたことを知っていた高梨さんは、容疑者から外れる」
と、いうことはだ
「石栗さんの部屋に行き、氷やドライアイスが溶ける時間を十分に稼げたのは、
桃園琴音さん、
あなた以外に犯人は考えられませんなぁ!」
桃園琴音。
コナンくんにラケットをぶつけた張本人だ。
今回の事件の真相をつらつらと語る蘭ちゃんパパさん。
珍しく的を得たことを言っているのに、なぜか胡散臭さがこびりついている。
「じゃ、じゃあ!合鍵は!?」
「鍵かかってただろ!?石栗の部屋!」
『氷』
ポツリと言った私の言葉に、
一同はこちらに視線を向けた。
『琴音さんが飲んでいたスポーツドリンク、凍っていたみたいですね。
けど、蘭ちゃんが預かったそのペットボトルには鍵は入っていなかった…。
では、もし、
鍵を入れた途端に凍るような水があるとするなら、どうでしょうか』
昔、
新一から教えられたいらない雑学。
(まさか、こんなところで役立つとは)
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ソーダ愛す - ヤバい、面白すぎる...!個人的におジャ魔女とひょっこりはんがツボでしたww (12月13日 21時) (レス) @page49 id: 73c730aa71 (このIDを非表示/違反報告)
テトノ - 初めまして、とてもおもしろいです!!!はい、ひょっこりはんの所がとくにおもしろかったです (2022年4月10日 12時) (レス) @page44 id: 766cae026c (このIDを非表示/違反報告)
いつも楽しみに読んでます!更新頑張ってください! - ライ (2018年10月14日 9時) (レス) id: a0ae5a4b08 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、面白いですヽ(*≧ω≦)ノパルクール出来る女子高生とかカッコいい!安室さん推しな感じも最高です♪ 正にドキドキハラハラな展開も良いです(*´艸`*)ひょっこりはんも笑いました(笑) (2018年6月13日 19時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あおいさん» ありがとうございます!続編の方、読みました。教えていただき、本当にありがとうございました。 (2018年5月13日 8時) (レス) id: c480416726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヤギとポン酢 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2018年4月7日 22時