【 男主 】龍に好かれる体質のようで【 BL 】

第９話【 学園長 】 ページ9

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煌(きら)びやかな扉がその存在を主張する。
悩んでいても仕方ないと、その扉をノックすればコンコンと綺麗な音が鳴った。



「 入っていいぞ。」

『 …失礼します。』



中からの返答を確認して、大きな扉を開く。
凝った造りをしていたので重いだろうと踏んでいたのだが。素材は一体何なのか、少し押しただけでゆっくりと扉は開いた。

室内もこれまた白を基調とした空間が広がっており、所々に置かれた家具も高価な物なのだろう。置いてあるだけなのに視線が惹き付けられる。



「 そんなに珍しいかい？ 」

『 あ、すみません…とても綺麗な物が多くて…。』



学園長と書かれたプレートが置いてある机に頬杖を付いた若い男性が目を細めて話し掛けてくる。

僅かな光を浴びてキラキラと輝くプラチナブロンドの髪。ゆるやかにウェーブする髪は胸元まであり、男性にしては少し長めだろう。

しかし、そんな髪型も似合ってしまう程、学園長は美しかった。



「 君、名前は？ 」

『 …A。雪野Aです。』

「 A君か。それで…君は何をしに此処に？ 」

『 此処に来れば良い、と友人に言われて…。』

「 そうか…。」



顎に手を当て、何かを思案する学園長。
あぁ、そう言えばまだ名前を聞けていない。



『 すみません。学園長の名前を聞いても？ 』

「 ん…あぁ、そうだね。自己紹介が先だ。私は、イリス。イリス＝ローウェルだ。」

『 イリス、学園長。』



忘れない様にと名前を繰り返していると、イリスが突然立ち上がる。



「 うん、決めた。A君、君はこのバラッド学園に入学しなさい。」

『 ……は？ 』

「 最近は、入学者も減少傾向にあって少し困っていたんだ。君が来てくれて嬉しいよ。」

『 ……いやいや。俺はただ、此処に行けば良いって言われただけで…、』

「 ふふ、大丈夫。ここは全寮制だからね。」

『 話聞けや。』



トントン拍子に話を進められ、敬語が抜ける。
お願いだから俺の話を聞いてくれ。



「 そうと決まれば、君のクラスを決めないとね。」

『 入学するとか言ってねぇよ！ 』

「 善は急げって言うし、今からやろうか。」

『 頼むから話を聞けェェエ！！ 』



綺麗な見た目とは裏腹に人の話は聞かないわ、マイペースだわでとんだ学園長だな。

今日一日だけで何度叫べば良いのか…。
Aの頭は鈍い痛みを訴えていた。



『 クソッタレが…ッ！ 』




あぁ、何時も以上に口が悪くなる。




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