第38話【 不穏な空気 】 ページ38
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大量の本を所蔵する聖バラッド学園。
天井までの壁一面を本が埋める空間。
長く伸びた
長らく使われる事なく立て掛けられていた
高く
その内の一つに座り、A達は勉学に
『 …クライン? 』
「 ん? 」
『 …何でもない。』
ちらりとクラインを
しかし、Aの隣に座るジェイルを見る瞳はどこか冷ややかだ。
その2人に挟まれている状態のAは、何とも居心地が悪い。
『 なぁ、ここって…。』
「 ん?あぁ、これは──…。」
一通り文字の読み方を習い、小さい子向けの本を1人で読む。小さい子向けと言っても内容は中々に難しい。
分からない所はクラインに聞きながら解読を続ける。さながら謎解きゲームの様だ。
『 んー…ん? 』
「 おい、そこは──…。」
『 あぁ、成程な!ジェイルさんきゅ! 』
「 ふん。」
何故かジェイルはAが解読に詰まった所を一寸の狂いもなく指摘し、教えてくれる。
ジェイルはやっぱりエスパーなのかもしれない。
が、その度にクラインの眉間には深く
『 居心地が悪い。』
「 だから言ったろーが。」
「 ごめん…勉強しづらいよな。」
いや、勉強をする分には2人とも教えるのが上手いし問題はない。
問題があるのは2人の間に流れる空気である。
大変、居心地が悪い。
『 お前らさ。仲良くできねぇの? 』
「 …無理だろ。」
「 …まぁ、難しいな。」
『 はぁ…。』
本を閉じてAは席を立つ。
『 別の本持ってくっから、仲良くしてろ。』
後ろから聞こえる2人の声は無視してAは書棚へと足を進めた。
「 クソっ…話ぐらい聞けっての。」
「 …なぁ。ジェイル、お前…Aと仲良いのか? 」
「 あ?仲良さそうに見えるかよ。」
「 …Aに気がないなら近付かないでくれないか。」
「 この猫被りが。」
ジェイルが吐き捨てる様に言う。
2人の間でバチりと火花が舞った。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…!もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です!チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…!これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね!これからもご愛読、よろしくお願い致します! (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です!とても読みやすくて大好きです!! (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます!好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました!チビちゃんかわいいなもう!僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2017年9月26日 0時