第３１話【 恋愛観 】 ページ31
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何処から話そうか、と間を置いたクライン。
「 そうだな…まず、恋愛観から話そうか。」
『 頼むわ。』
クラインは悩む素振りを見せつつ話を始める。
第一に。この国では、男性が不特定多数の女性または男性と関係を持つ事が許されている。
一夫多妻制と似た様なものだろう。そして、多くの人と関係を持つ事こそが良い男の条件…なのだと言う。
正直に言って、今まで不特定多数の相手と交際を行う事はやれ浮気だやれ二股だと
「 あとは…そうだな…同性婚が認められてる…とか。」
『 偏見がないのは良い事だな。』
「 ですよね！何より、男でも子どもを産めるっていうのが男女平等って言うか！！ 」
『 うん？ 』
「 ガラッド…説明足りない…。」
「 正確には、両者の同意があった場合って事だよ。」
つまり、両者が同意を示した場合は性別に関係なくその身に
これは魔法ではなく、
「 まぁ…そのお陰で、恋愛が自由になったっていうのは大きい…。」
「 だよな！好きになった奴が誰だったとしても可能性がある訳だし！ 」
楽しそうに話を続けるガラッド。
眠そうな表情は変わらないものの、カイルも目を細めて控え気味に微笑む。
いや、否定する気はないぞ？
でも前まで持っていた価値観を簡単にひっくり返せないっていうかさ？
『 あー…性別どうこうは置いといて。相手は１人で良いな…。』
「 Aならそう言うと思った。」
「 そっかぁ…そうなると競争率半端ないですね！ 」
「 うん…大変そう…。」
『 いや、何が？ 』
何の競争率だよ。
ふと、視線を感じて隣へ目を向ければ、ばちりとクラインと目が合った。
どうかしたか、と首を傾げれば笑みを返されただけで。
「 ま、俺も１人で充分かなぁ。」
「 クライン先輩もですか？！ 」
「 人気がある人ほど競争率が上がる…。」
３人の間で飛び交う会話に、これがこの世界の常識で日常なんだ、と思い知る。
何故だかそれが少し、寂しく感じた。
彼等と同じでない事が心に引っ掛かりを残す。
それでも、そんな心には
それでも思わずにはいられない。
『 俺は、この世界に居て良い存在なのか…？ 』
小さく呟いたAの声は食堂の雑音に溶けて、消えてゆく。少しだけ、胸が痛んだ気がした。
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花冠(プロフ) - 2017年…四年前の作品で良い物を見つけてしまった…！もっと先に見つけれたら更新されて行く楽しみが味わえたかも…。すごい読みやすいですし、設定が神です！チビちゃんかわいい… (2021年3月18日 13時) (
レス) id: 9f55fa5e42 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 雛菊さん» 有難うございます、とても嬉しいです…！これかも期待に応えられるように精進させて頂きますね！これからもご愛読、よろしくお願い致します！ (2017年12月1日 18時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 通知リストにあるかな〜と探すぐらい好きな小説です！とても読みやすくて大好きです！！ (2017年11月30日 18時) (レス) id: b475004931 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - 風音迷夜さん» 沢山のお褒めの言葉…ありがとうございます！好きになって頂けてとても嬉しいです…チビは本当に人気がありますねw (2017年11月25日 16時) (レス) id: 14a110e835 (このIDを非表示/違反報告)
風音迷夜 - ありきたりじゃない世界観に分かりやすい説明、この作品好きになりました！チビちゃんかわいいなもう！僕惚れちゃった←チビドラゴンにww (2017年11月22日 21時) (レス) id: b791237619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にじ
| 作成日時：2017年9月26日 0時
