その笑顔……？３６ ‹ 三途春千夜 › ページ37
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「コーコーちゃーん？」
「あーもう、うるせぇ！俺に構うんじゃなくて自分の仕事しろ、仕事！」
今だに九井に絡みまくる灰谷兄。
なんでそこまでそのオンナについて知りたがる？と考えて、いつも鶴蝶から強奪している弁当を思い出す。
そうだった。灰谷兄はあの弁当の味付けにご執心だった。
面倒な仕事を終わらせた後や機嫌がすこぶる悪い時でもあの弁当を食っただけでケロリと機嫌を直していたくらいには好んでいた。
正直、灰谷蘭という面倒な男を弁当一つで動かせるのなら素性を調べて囲っちまった方が俺達も楽じゃね？と心の中の悪魔が囁いたが、忘れるな俺。
その九井のオンナはマイキーのお気に入りかもしれねぇ可能性がまだ残っている。
「蘭ちゃんもこのコに会いたいだけなんだけど〜」
そう言いながら灰谷兄がスマホの画面を見せた時。
ガチャリと扉が開く音がして、そう言えばマイキーと鶴蝶が帰って来る時間がそろそろだった事を思い出す。
九井と灰谷兄に向けていた視線を音のした方へと向ければ、扉を開けている鶴蝶とその後ろに立つマイキーの姿。
「マイキー！」
「……」
「マイキー？」
大好きなマイキーが帰って来た、一番に挨拶しないと！と呼び掛けた言葉に反応がない。
鶴蝶も扉を開けたまま動きがなく、マイキーが見えねぇだろうが、邪魔だわ！と文句を言おうと口を開いた瞬間。
ミ"チ"ィ"……とおおよそ耳にすることがないであろう音が聞こえた。一体何の音かと視線を下げてみれば、鶴蝶が握っていたドアノブ。ソレが変形してた。
いや、ドアノブって鉄の塊……は？？いやいや、どんな握力してんだよ、おかしくね？マジモンのゴリラじゃん、ヤバ……。
近寄らんとこ精神で鶴蝶から気持ち距離を取る。
刺激しないようにそっと視線をズラすと筋トレが趣味みたいな灰谷弟もドン引いた目で鶴蝶を見ていた。
……鶴蝶に軽々しく喧嘩売るのやめとくわ。
「ココ」
「……マイキー？」
「そのオンナ、」
マイキーと鶴蝶の視線が痛い程に突き刺さるのは灰谷兄が持っているスマホの画面。
目を離したら死ぬの？ってレベルでガン見。
ズモモ、と怒りのオーラを纏った二人が九井へと歩み寄る。
……灰谷兄はちゃっかり退避済みで傍観モードを決め込みやがった。
「いや、……ご、誤解だッ！！」
まァ、どっちかと言えば頭脳派の九井が脳筋ゴリラに進化した鶴蝶と元々武闘派のマイキーを相手取るってのがそもそもムリって話だわ。
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瑠璃(プロフ) - 初めまして。とても楽しく読ませていただきました。できれば続編希望します。 (5月18日 22時) (
レス) id: f3335c8e16 (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 終わったんか🥺 (2023年3月20日 22時) (レス) @page42 id: eb117a410a (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - にじさーん！！オプチャのサツキです。大分前にコメしたことがあるんですが・・ホントに更新楽しみにしてます！お時間ある時でいいのでいつまでも待ってます！ (2023年2月18日 22時) (レス) @page42 id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
ノア - ほんっとに面白くて最高の作品に出会いました！！続き楽しみです！！ (2023年2月16日 23時) (レス) @page42 id: a500e3a75b (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です大好きです文才が天才すぎます、、良ければお時間ある時に更新お願いします、、完結までついていかせてください、、 (2023年2月11日 17時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にじ
| 作成日時：2022年7月28日 0時
