同居生活48 ページ48
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『お風呂上がりました〜』
スマホの説明をしていて気が付けばいい時間。
お風呂に入らなければ、となり、今日も今日とて一番風呂を頂きました。
リビングに戻った私を待っていたのは、ドライヤーを持った義勇。
毎度、三人の髪を乾かしてあげている私。
その結果、私の髪も乾かしたいと義勇から提案が。断る理由もなかったので二つ返事で了承。
これに関しても、皆がやりたいとなったそうでローテーションが取り入れられた。
「痛くはないか?」
『ん、大丈夫だよ』
「そうか」
義勇の満足そうな声音が、ドライヤーの音に紛れて小さく鼓膜を揺らす。
髪をさらさらと撫でられ、時折耳や首筋を指先がするりと掠め。心地好い感覚に身を委ねて、目を閉じたくなってしまう。
カチリと音がして、ドライヤーの電源が落とされる。
「終わった」
『んふふ、ありがとう義勇』
「気持ち良かったか?」
『気持ち良すぎて眠くなっちゃった』
「……ムフフ」
褒めてとばかりにずい、と頭を差し出されて反射的にもふもふとした義勇の髪を撫でる。
満足気に細められた瞳。
へにゃりと垂れた耳とブンブンと振られる尻尾の幻覚まで見え始めた、かわいい。
『もう義勇ってばかわいいねぇ!』
堪らず、その頭をぎゅうと抱き締める。
義勇の頭をしっかりと抱え込みながら、義勇の髪に顔を埋めてその香りを胸いっぱいに吸い込む。
……待て待て、今凄く変態っぽかったな??
でも言い訳もさせて欲しい、実弥さん、杏寿郎さん、義勇の中だったら吸いたいのは義勇なの!!
義勇特有の雰囲気というか……ね?!色々とまだ自制が出来るのは義勇だけなの!!
杏寿郎さんと実弥さんは、直ぐに反撃されそうだし。
でもあわよくば、と言うか機会があれば是非とも吸わせて欲しい。
「A、それは俺でも恥ずかしい……」
『アッ……』
ふんふんと義勇の髪の柔らかさと匂いを堪能していたら、控え目に掛けられた声。
目元をほんのりと朱に染めた義勇が、私を上目遣いで見上げている……上目遣いで!!
『尊い……』
「?」
クエスチョンを飛ばす義勇は無視して。
よーしよし、と頭を撫で回しながらぎゅうぎゅうと抱き締めておく。
もう全世界共通、かわいいは正義。
「よもや……冨岡抜け駆けはダメだろう!!」
「冨岡ァ、髪を乾かすだけって言ったよなァ?」
「俺は悪くない」
「問答無用だ!!」
……かわいいは正義が通じない人達もいるみたいです。
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chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時