同居生活4 ページ4
.
「ふむ。俺からすると君の服もこの服も珍しいのだが?」
『これも一般的ですよ。私からすると煉獄さんが着ていた服の方が珍しいですねぇ。まるで昔の人が着ていた隊服、みたいで』
「……昔の人?すまないが今の年号は大正で合っているだろうか」
「いえ、年号は令和ですね。大正というと百年ほど前だったと思います……」
よもや……と小さく呟いた煉獄さんがピシリと固まった。
気持ちはわからないでもない。
現代に生きている私達であれば、トリップというものに僅かなれど耐性があるだろう。
けれど、煉獄さんが生きていた時代にそんな概念はない。
『……あの、お腹空いてないですか?』
「む?……そう言われると空いているな!」
『私、今から夕食なので良ければ一緒に食べませんか?』
「迷惑ではないだろうか?」
『いえ……誰かと食事をするのは久々なので、むしろ少し嬉しいです!』
これは本心だった。
一人暮らしを始めて、人との交流も最低限で。
久々に誰かとテーブルを囲む。
それもその相手が煉獄さんときた。
嬉しくないはずがないのだ。
もっと言うのであれば叫び回りたいくらいには嬉しい。
そして未だに煉獄さんは私から視線を逸らしている。
こうなったら視線の先に回り込んででも視線を合わせたい。
あの瞳を真正面から見詰めたいのだ、私は!!
昨日も無事に無限列車に乗車した私。
煉獄さんロスによる恋しさからサツマイモを購入していた。
野菜室を覗き込んだ私は、昨日の自分に問い質したい。
何故、一人暮らしなのにこんなにサツマイモを大量購入した??
いや、結果オーライだけれど。
これ一人で消費できる量じゃないんだよね気でも狂ってたかな???
『煉獄さん、サツマイモ好きですか?』
「む!大好物だ!!」
『本当ですか、サツマイモが沢山あるので助かります!何かリクエストはありますか?』
「サツマイモの味噌汁が食べたい!!」
『ふふ、了解です』
手早くサツマイモの味噌汁を作りつつ、どうせならとサツマイモの炊き込みご飯も作ってしまう。
私は料理が得意な訳ではない。
けれど、鬼滅の刃の推し達の好物は作れるようになりたいとそれだけは猛練習した。
いや、レシピさえあれば基本的に料理はできるからね?
料理が出来ないわけじゃないんだからね??
「ただ待っているだけでは申し訳ない!何か手伝える事はないだろうか!」
ありがたい提案ですが煉獄さんは料理できなかったような記憶が?
.
522人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chiaki0708(プロフ) - ムフフが止まりませんでした (2021年12月6日 14時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!好きな設定だと言って貰えて嬉しいです!雰囲気上手だと言って貰えて嬉しい限りです…更新は遅めですがこれからも頑張りますね! (2021年8月11日 12時) (レス) id: 7dcf5a18d1 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - この設定、素敵です!彼らの醸し出す雰囲気上手ですね。このお話に出会えて良かった! (2021年6月27日 21時) (レス) id: ca18a121f6 (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - もしゃこうさん» 最高だなんて嬉しいです!私も書いていて楽しいので更新頑張ります!!ふふふ、ニヤニヤして貰えたのなら作者冥利に尽きますね!! (2021年2月9日 0時) (レス) id: 7fde5a79e3 (このIDを非表示/違反報告)
もしゃこう(プロフ) - めっちゃこのお話最高です!続きが気になります!そして自分はこれを読みながら1人部屋でニヤニヤしてますw (2021年2月8日 15時) (レス) id: eecce6b130 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にじ | 作成日時:2021年1月18日 21時