episode3【 束の間の休息 】 ページ7
.
さわさわと草花が揺れる。
ここは聖バラッド学園の裏地にある小高い丘。
生徒も教師も立ち入る事のない、知る人ぞ知る絶好の穴場スポットである。
風に撫でられた花々が花弁を散らし、澄み渡った青空を
「 きゅう? 」
『 んー……んぅ? 』
永遠と続く緑の中、一人の青年が草花に身を
漆黒の髪を
『 ふぁ…、ちび? 』
「 きゅ、きゅう 」
『 んー、ははっ…くすぐったいなぁ、もう 』
主人の目覚めを感知して、小さな翼で飛んでいた
覚醒しきらない意識の中、Aは擦り寄る小さな身体を抱き寄せる。まだ成熟しきらないチビの身体は硬い鱗に覆われる事もなく、その温かな体温を感じ取る事が出来た。
『 チビとこんな風にゆっくりすんの久々だよな 』
「 きゅっ 」
『 うん、俺もチビと一緒に居られて嬉しいよ 』
「 きゅきゅう〜 」
腕に抱いたチビを強く抱き締めれば、嬉しそうに目を細め小さな翼をぱたぱたと動かす。
可愛いなぁ、とチビの頬に自分の頬を擦り寄せれば楽しそうに鳴き声を上げる。
すきすきと全身で表現するチビは控えめに言って可愛い。
『 はぁ〜、本当に可愛いなぁチビは 』
「 きゅ! 」
『 んむ 』
黒真珠の様な瞳をぱちくりと
大好きな主人であるAのその表情に満足したらしいチビはご機嫌で鼻をふんふんと鳴らす。
『 っはは、こりゃやられたなぁ 』
「 きゅ〜 」
『 俺のセカンドキスを奪うなんてなかなかやるな、チビ! 』
Aも最近になって気が付いたのだが、
現にチビも喉元を撫でられてゴロゴロと喉を鳴らしている。
『 たまにはこーいうのも悪くねぇよなぁ 』
もっと撫でて、と擦り寄るチビに微笑み小さな身体を抱き寄せる。
腕の中で感じる温かさに身を委ね、Aは本日二度目となる惰眠を
.
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←.
359人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - 更新はもうされない感じですか…? (2019年10月5日 18時) (レス) id: 9ab82a9f0f (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ゆんさん» ゆんさん、コメントありがとうございます!本編から読んで貰えて嬉しい限りです!これからもゆっくり更新ですが頑張らせて頂きます! (2018年12月21日 15時) (レス) id: f65552bfee (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 本編から一気読みしてしまった… 面白くて読む手が止まらないです!!これからも更新頑張ってください!! (2018年10月19日 22時) (レス) id: 981027e0af (このIDを非表示/違反報告)
あこ - にじさん» 返信めちゃめちゃ遅うなりました!! いえいえこちらこそ楽しく読ませて頂いております!!( (2018年10月6日 7時) (レス) id: e0a6e601e7 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - にじさん» にじさんから奪い合えと言われてしまった日にはもう……戦争ですね()遅くなったなんて!大丈夫です!無理せず頑張ってください(´∀`) (2018年6月10日 21時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にじ | 作成日時:2018年3月13日 16時