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ふ、と意識が浮上する。太腿と肩に感じる重み。
ぼんやりとした意識の中、視線だけを動かせば映ったのは規則正しい寝息を零すイリスとレイランの姿。
右肩に頭を乗せたイリスは、Aの右手を恋人の様に握り締め。イリスの長く綺麗な指がAの指に絡み付き包まれている。
一方、太腿に頭を乗せ可愛らしい寝息を立てるのはレイラン。顔をぐっと腹に寄せ腰に腕を回して抱き着いている。
『 ……あったかいなぁ、』
目の前で揺れるレイランの真っ白な髪に触れる。ふわふわと空気を含んだ髪はAの指にじゃれつく様に絡んだ。
頬を
「 A君 」
『 …… 』
「 Aく〜ん? 」
『 …… 』
鼓膜を揺らす柔らかい声。夢心地のAは、その声が現実のものなのか夢なのか判断が付かない。
ゆさゆさと肩を揺すられる。薄らと目を開けばどアップで映るイリスの整った顔。
その唇はゆるやかな弧を描き、甘くAの名を呼ぶ。
『 ん…ん?イリスがくえんちょ…? 』
「 そうだよ、そろそろ起きようか 」
目の前で微笑むイリスに吸い寄せられる様にその唇を奪う。触れるだけの口付けに笑顔のまま硬直するイリス。その様子に満足したのか再び瞼を落とし始めるA。
その様子を見せ付けられていたレイランは咄嗟に寝落ちしかけたAを起こし始めた。
「 A君、起きて。イリスさんだけちゅーしてもらうなんてズルいよ〜 」
『 んむ…? 』
「 ふふ、奪っちゃった〜 」
Aの太腿に乗せていた頭を上げたレイラン。両手を地面に付き背を反らし、俯き掛けたAを下から見上げる体勢で唇を重ねる。
ちゅ、とリップ音を立てて離れた唇。
「 …レイラン、」
「 イリスさんだけ、なんて言いませんよね〜? 」
『 ……あれ、イリス学園長とレイランさん? 』
2人がバチリと睨み合ったその時。
目を覚まし首を傾げるAにぐっと身を乗り出す2人。その距離の近さに思わず身を引く。
「 A君が好きなのは私だよね 」
「 僕だよね〜? 」
『 え、いや…何の話ですか。』
執拗く問い詰める2人を引き剥がす為に数十分は無駄にした。
その後この情報が
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episode3【 束の間の休息 】→←episode2 【 大人の時間の使い方 】
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ここ(プロフ) - 更新はもうされない感じですか…? (2019年10月5日 18時) (レス) id: 9ab82a9f0f (このIDを非表示/違反報告)
にじ(プロフ) - ゆんさん» ゆんさん、コメントありがとうございます!本編から読んで貰えて嬉しい限りです!これからもゆっくり更新ですが頑張らせて頂きます! (2018年12月21日 15時) (レス) id: f65552bfee (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 本編から一気読みしてしまった… 面白くて読む手が止まらないです!!これからも更新頑張ってください!! (2018年10月19日 22時) (レス) id: 981027e0af (このIDを非表示/違反報告)
あこ - にじさん» 返信めちゃめちゃ遅うなりました!! いえいえこちらこそ楽しく読ませて頂いております!!( (2018年10月6日 7時) (レス) id: e0a6e601e7 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - にじさん» にじさんから奪い合えと言われてしまった日にはもう……戦争ですね()遅くなったなんて!大丈夫です!無理せず頑張ってください(´∀`) (2018年6月10日 21時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にじ | 作成日時:2018年3月13日 16時