【 BL 】龍に愛される体質のようで【 第2章 】

第７５話【 ミラクル？ 】 ページ31

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結局、繋がれた手は離される事なく学園へと帰宅。
そしてそのまま共用食堂へと直行。



『 なぁ、なんで食堂？ 』

「 気分だよ。」

『 そうですか。』



何時もより少ない生徒。
しかし、一際目を引く集団がいる。



『 なんで全員勢揃い？ 』

「 さぁ…たまたまじゃないかな？ 」



何それ…奇跡(ミラクル)起きちゃった感じ？
いやいや普通に考えて有り得ないだろ。何だよミラクルって。

ユーリに始まりキースやカイル、アリアやノエル、そしてイリスまでもが集まっている。
何の集まりだよ…怖いわ。



「 おや、奇遇だねA君。」

『 何でイリス学園長までいるんですか。』

「 嫌だなぁ、たまたまだよ。」



ふふ、と綺麗に微笑むイリス。
さり気なく自分の隣に俺を座らせるの辞めてもらっていいですか。



「 …全員居るみたいなので、少しだけ伝えたい事が。」



イリスを軽く睨んだクラインが口を開いた。
何を話すのかとAは首を傾げる。



「 今日、Aがチェルドッレ学園の生徒にナンパされました。」

『 おい。』

「 チェルドッレ学園…？ 」

「 ふむ、名前は？ 」

「 ルナ＝サンレートとギル＝コンバートです。」

「 …最近、チェルドッレ学園に編入した生徒の名前だね。」



クラインの言葉に逸早(いちはや)く反応を見せたのは、言わずもがなイリス。そしてユーリとジルだ。

何故か他の皆もチェルドッレ学園という言葉に反応を見せる。
…雰囲気からするに良い印象はないようだ。

と言うか、さっきから俺だけ仲間はずれじゃね？



『 チェルドッレ学園って…？ 』

「 あぁ、A君は知らないか…。」



隣に座るイリスに問い掛けると、丁寧に説明をしてくれる。


チェルドッレ学園とは、ここ聖バラッド学園に次ぐエリート校。
しかし、何故なのかは分からないがこの両校は仲がよろしくない。
バラッド学園が帝国一の学園ならばチェルドッレ学園は帝国二位。その壁が両校の軋轢(あつれき)となっている。

その結果、伝統のように受け継がれて来たこの敵対心とでも言うべきか。未だに歩み寄る事が出来ない現状が続いている。これはもう意地だろう。



『 ふーん…面倒臭いな…。』

「 もぉ、そんなことよりぃ！Aくんがナンパされたことの方が問題でしょお！ 」

「 そうですよ、先輩方。」



え、アリアとノエルはここでその話を蒸し返すの？やめよう？

ほら、この場の気温が10度くらい下がったよ？




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