十八描き ページ5
時間軸ちょっと戻ります
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沖田Side〜
晴天のサボり日和の日。
空には珍しく虹が架かっていた。
そして、土方が出かけていったと思ったらいつもより早く帰って来やがった。
しかも、気味悪ィくらいに表情を綻ばせながら。
本人は無自覚なのか。
野郎は俺に気づくと、慌てていつもの神妙な顔に戻った。
「なんでィ、随分と早いお帰りで。
…そのまま帰ってこなくていいのに」
「オイ聞こえてんぞ。」
あれ、結構小さな声で言ったはずだが。
「ん?
…土方さん、それ、なんですかィ?」
やけに大事そうに持っているそれは、一体何だろうか。
「ああ…これは絵だ。」
「絵?なんの絵ですかィ?」
「まあ、その…俺の、絵だ」
土方の絵?
そんな物好き…
ふと、山崎の言っていた画家とやらが浮かんだ。
___そうか、成る程。
「その絵、見せてもらえやせんかィ?」
「ああ、いいぞ」
するり、と風呂敷から出てきたのは、紛れもなく土方の絵。
その背景の虹色に、ふとさっき見た青空に架かる虹を思い出し、空を見上げる。
そこにもう虹は無かった。
上手く、描いたもんだな。
土方サンを簡単に変えちまうような奴だ、余程不思議な奴なんだろうな。
「あと総悟…
ありがとな」
再び柄でも無い礼を言われる。
が、それで、上手くいったことが分かる。
これで姉上も少しは浮かばれるってもんだ。
俺の何処かで、俺も描いてもらいたい、とかいう願望が生まれた。
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みきたつ(更新停止中)(プロフ) - iceblast5さん» 返信遅くてごめんなさい、そしてわざわざコメント、ありがとうございます!貴方様も、どうか体調にお気をつけてお過ごし下さい! (2019年2月7日 21時) (レス) id: 58c2806fad (このIDを非表示/違反報告)
iceblast5(プロフ) - また読めて嬉しかったです!寒い日ばかり続きます、お身体ご自愛くださいませ(>_<) (2019年1月30日 23時) (レス) id: 69d49e1d20 (このIDを非表示/違反報告)
みきたつ(プロフ) - iceblast5さん» 待ってくれる方がいるのはありがたいです…本当にありがとうございます! (2018年12月13日 20時) (レス) id: 23625b9f72 (このIDを非表示/違反報告)
iceblast5(プロフ) - 自分が納得行く結果が出せるように集中してください(。>д<)待っていますね♪ (2018年12月13日 19時) (レス) id: 886ffa0a54 (このIDを非表示/違反報告)
みきたつ(プロフ) - 実花さん» ありがとうございます!!! (2018年12月7日 20時) (レス) id: dab6b26021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきたつ | 作成日時:2018年9月29日 23時