三十描き ページ17
ASide〜
眩しい日差しで我にかえるように目覚めれば、もうお昼前だった。
昨日は余程疲れていたのか、こんな眠ったのは久しぶりだ。
昨日ので疲れてたら私走っただけで死ぬんじゃないか。
…やっぱりちょっと運動しよう。
そうこうしてると、派手にお腹が鳴った。
そうだ、昨日帰ってきて何も食べてないんだった。
今から食べるともうお昼ご飯。
神楽ちゃんとの約束に送れないようにしないとな。
そう考えながら私はキッチンへと向かった。
・
・
神楽Side〜
A、もうすぐ来るカナ。
いつもより十分ぐらい早く河原に着いた私は、暇を持て余していた。
今となっては、話す事に少し緊張を覚えているが、話したいという思いに変わりはない。
『神楽ちゃん!』
色々考えていると、Aの声が聞こえてきた。
「A!」
『今日早いね…
ごめん、待たせて』
「全然大丈夫アル!」
このやり取りも何回目なんだろう、とか考えながら、Aの側に腰を下ろした。
___さあ、話そう。
「A、今日はネ!話したい事があるネ!」
・
・
ASide〜
話したい事があると言った神楽ちゃんに相槌を打てば、神楽ちゃんの口からは、自身の過去が紡がれていった。
神楽ちゃんのお兄さんの事、お父さん、お母さんの事。
お兄さんが居なくなって、悪い人になっていても、
お父さんに中々会えなくても、
お母さんを小さい頃に亡くしても、
複雑な環境の中、神楽ちゃんは自分の強さで乗り切った。
神楽ちゃんは、お兄さんがどうなろうと、必ず戻ると信じて自分自身で真っ向からぶつかりに行っていて。
そして、幼い頃、お母さんを亡くした神楽ちゃんは、今どういう思いなのだろう。
___私に、できるのは。
『神楽ちゃん、おいで』
両手を広げ、優しく言うと、神楽ちゃんは大きな瞳いっぱいに涙を浮かべ、胸に飛び込んできた。
すると、わんわんと嗚咽を零しながら泣いた。
やはり、寂しかったのだろう。
神楽ちゃんはまだ大人ではないし、寧ろ子供の域だ。
こんな風に泣くのは当たり前だ。
逆に、今までは抑えすぎていたのだ。
そんな神楽ちゃんを支えている万事屋さんや、神楽ちゃんの日常は、今の神楽ちゃんにとって欠かせないもの。
神楽ちゃんの背中を撫でながら、これからも神楽ちゃんの幸せな日常が続きますように、と願った。
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みきたつ(更新停止中)(プロフ) - iceblast5さん» 返信遅くてごめんなさい、そしてわざわざコメント、ありがとうございます!貴方様も、どうか体調にお気をつけてお過ごし下さい! (2019年2月7日 21時) (レス) id: 58c2806fad (このIDを非表示/違反報告)
iceblast5(プロフ) - また読めて嬉しかったです!寒い日ばかり続きます、お身体ご自愛くださいませ(>_<) (2019年1月30日 23時) (レス) id: 69d49e1d20 (このIDを非表示/違反報告)
みきたつ(プロフ) - iceblast5さん» 待ってくれる方がいるのはありがたいです…本当にありがとうございます! (2018年12月13日 20時) (レス) id: 23625b9f72 (このIDを非表示/違反報告)
iceblast5(プロフ) - 自分が納得行く結果が出せるように集中してください(。>д<)待っていますね♪ (2018年12月13日 19時) (レス) id: 886ffa0a54 (このIDを非表示/違反報告)
みきたつ(プロフ) - 実花さん» ありがとうございます!!! (2018年12月7日 20時) (レス) id: dab6b26021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきたつ | 作成日時:2018年9月29日 23時