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五曲目 ページ5

.





『っはぁ!…はっ、はぁ


…ふっ、ふぅ』





中庭で必死に呼吸を整える



今日はもう帰ろうかな





〜♪




着信だ








画面を見ると"佑亮"と表示されていた






『っ…ふぅ

も、もしもし?佑亮』





深く息を整えて電話に出る






佑亮「A〜!

今休憩だからさ、なんとなくかけた笑」





『なにそれ笑』





可愛い理由に思わず笑みがこぼれる






佑亮「…Aは?


何してたの?大丈夫?」






なぜ大丈夫なのか





『大丈夫だよ?』





佑亮「嘘だ。


だって電話出るときしんどそうだったじゃん!」





『…ふふ笑

大丈夫だよ。ありがとう』






佑亮「なら良いんだけど…



あ、そういえば!

昨日も他事務所あたってみたけど、

あのバンド知ってる人は誰も居なかったよ…」






『そっか…ありがと』





またか…





佑亮「そんな落ち込まないで?

僕ももっと探すから!」






『ごめんね』






佑亮「幼馴染なんだから

当たり前でしょ?」





五年前、



将来に不安と絶望しかなかった



私と佑亮と海を救ったあのバンド




三人とも成功した時からずっとずっと探している




ま、私だけ落ちて行ってるけれど…





海は俳優として

佑亮はダンサーとして



今や知らない人などいない程だ






佑亮「A!…聞いてないでしょ!


もー本当今日どうしたの?!


今日、仕事終わりにAん家寄る…


僕そろそろ戻らなきゃだから、じゃあね!」





『あ、うん』





あー…何してんだ私

忙しい佑亮に心配かけて…






そろそろ帰ろうかとベンチから立った刹那





ーバラバラバラッガシャン






『えっ…何』





空から降ってきた



私のCD






死ねやら



消えろやらの文字を添えて








いや、普通に危ないからね…





割れてるし…






「あらごめんね?


つまんない曲ばっかりだから捨てちゃった!」



「売り上げに貢献してあげてるんだから


感謝してよね?」






あぁ、今朝の





『ご丁寧にどうも』





わざわざ嫌いな奴のCD買ったんだ…







「何お前…


その態度が気にくわねぇんだよ!!!」





足元に落ちていた割れたCDを投げられ



それが頰をかすめたのか





ポタポタと血が滴る





「うわ、やばくない?顔に怪我させちゃったよ」




「どうせ売れてないんだし大丈夫だって笑」






売れてない?




つまんない曲?







…もううんざりなんだよ

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作者名:ぽん | 作成日時:2018年1月1日 0時

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