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珈琲を淹れて来たAはもう一つのコップをくまに手渡し、向かいのソファに腰を掛けた。
お互い、温かい珈琲を喉に流し込む。
『はぁ…美味しい』
「ああ…Aの淹れた珈琲は格別だな」
『ふふっ嬉しいお言葉頂きました』
くまはコップの中の珈琲に視線を落とす。反射で自分の顔が見えた。
「……Aは既に知っていると思うが、俺は政府の人間兵器“
一瞬、目を見開くA。
『……ええ。存じております』
「やはりな……では、近いうち俺の人格と記憶も無くなることも、か？」
『！？え……嘘、ですよね？』
「……」
『くまさん…？』
その沈黙は肯定の意だった。
『なんで…』
衝撃的な言葉に困惑するA。くまはゆっくりと話を続けた。
「……俺は政府が嫌いだった。
“お初にお目にかかります。バーソロミュー・くま様。本日、世話役を任されております。三等兵Aと申します”
“…ああ”
“…バーソロミュー様ってもしかして蜂蜜がお好きですか？”
“…何故分かった”
“あ、いえ。今回のお茶請けのお菓子私が作ったんですが、いつもより美味しそうに食べられてたので……”
“…俺の表情が読めるのか？”
“え？私からしたら分かりやすいと思いますが…”
“…初めて言われたぞ”
“え？”
“バーソロミューさ、”
“くまでいい”
“…へ？”
“長くて呼び辛いだろう”
“……じゃあ遠慮なく“くま様”と呼ばせていただきます！！”
“……ふっ”
“！くま様が笑った！！！”
“くまさん！”
「─────全て、Aのお陰だ。ありがとう」
『……私はなにも、』
Aは知らないうちに涙がこぼれ落ちていた。くまはその涙を掬い、続けた。
「─────Aは俺にとって“光”だった」
初めて見たくまの笑顔は陽光に照らされ、とても眩しかった。
『…貴方の記憶が無くなってしまっても、私が憶えています。ずっと…ずっと…！』
「ああ。Aの中で俺は生き続ける。記憶が無くなるその時まで、“俺”を憶えていてくれ。──我が親友よ」
『っ！……はい！！！』
ぼろぼろと涙を流し、Aは精一杯笑った。
くまはその笑顔を忘れることの無いよう、脳裏に刻み付けたのだった────
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Miho／ミホ(プロフ) - 今出ている話を全て読ませていただいたんですが、最高に面白いです…!!!!オリジナルキャラの蘇芳がめちゃくちゃ好きです！物語も面白くてドキドキしました！これからの更新楽しみにしています！頑張っください！！ (2022年8月17日 20時) (
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作者名：斉和 x他1人 | 作成日時：2022年5月21日 23時
