第156χ ページ26
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「あーやっと配り終わった〜……!」
僕はほぼ配ってないけどな
「そういえば私この後お父さんお母さんとでかける予定なんてあったっけ?」
《いや無い》
「えぇっ?!なんだー嘘かー」
《鳥束と行きたいのか?》
「んーん!斉木くんとここにいた方が楽しいよ」
……その笑顔も苦手だ
嘘をついてないのが思考を読まなくてもわかる
Aさんは表情に現れやすくわかりやすい
だから思考を読まずともわかるのが一緒にいて気楽だ
が、どうも最近心臓がグッと潰された気分になる
割といやな気分では無いが不思議な感覚になる
僕自身の何かを削り取っていくような、そんな感覚
僕が僕で無くなるような気がしてならない
だが、悪くない
「斉木くん、勝負しよ!」
《は?》
「あそこに紐飴のくじ引きがあるんだけど、はずれが紐飴!当たりはコーヒーゼリー4個セット!」
《ほう》
「実はお願いして当たり1つコーヒーゼリーにして貰ったんだ〜!子供向けでは無いから元々無かったんだけど……もし当てられたら斉木くんにあげようと思ってたの!でも斉木くんも一緒に来てくれたから勝負しよ!」
《よし、勝負だ》
「いぇぇい!!超能力無しね!」
───────
普通に勝った
「なんで当てられたの……超能力使ったでしょ?」
《思考は勝手に読み取ってしまうからしょうがない。スタッフの心の声のおかげだな》
「むぅ……そうだった……」
口を尖らせるAさんに、コーヒーゼリー4つの内の2つを渡した
「えっ?いいの?」
《ボランティアの報酬だ》
「やったー!!斉木くん大好き!!」
《…………》
「ぁっと…………ごめん…………つい……」
…………フッ
あぁ。知ってる
「ここにいたのかAさん、斉木!」
「お、海藤くん!……わ、みんななんかたくさん持ってるね!」
「俺ダブルビンゴでお菓子パック2個も貰ったわ!」
「おれっちビンゴなんなかったぜちくしょー」
「僕は最後の方にビンゴしたからね、飴しか当たらなかったよ」
言葉だけ聞くと小学生にしか聞こえないな
「ふふっ。みんなお菓子たくさん貰えて良かったね!」
「よっしゃあ!もう1回俺の家でお菓子パーティーしないか?!……あいや、パーティーじゃなく集い「やろうぜ!!」
「私も行くー!!」
僕は遠慮しておく
今日は充分貰ったしな
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まつり(プロフ) - 点P撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者。さん» 読んで下さってありがとうございます!糧になりますー(*´˘`*)頑張ります!! (2021年4月23日 6時) (レス) id: 254ca2f352 (このIDを非表示/違反報告)
点P撲滅隊リーダー兼隊長兼事の発端者。(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2021年4月23日 0時) (レス) id: 162be80354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつり | 作成日時:2021年3月5日 9時