第547χ ページ10
斉木くんと2人で顔を覗かせると、そこには3枚の写真にそれぞれ人物が写っていた
「尾行中に現れた、力士、スナイパー、マジシャン。全員を捜し出してお話を伺いました。全員にその日の事を尋ねると、全員同じ事を仰っていました」
ごくりと唾を飲んだ
顔を上げられず、ただ写真一点を見つめながら耳だけを明智くんに傾け、質問する
「な、なんて言ってたの……」
「"突然知らない場所にいたがすぐ戻ってきた"」
その言葉に、サーッと血の気が引く
隣にいた斉木くんをチラリと見ると、表情を変えず明智くんを見ていた
でも私にはわかる
きっと、心の中では"ついにこの時がきたか"と思っているはず
私は何も言えず黙っていると、再度明智くんが口を開いた
「皆さん夢だと思っていたそうですよ。それもそうですよね。何百キロも離れたこの街に一瞬で移動してまた帰ってくるなんて不可能です。そんな事が出来るとしたら超能力者です。そう思いませんか？楠雄くん」
「……でっ、でも夢じゃ…「回りくどい言い合いは止めにしましょう。私はあの時の真実が知りたいだけなんです」
私が"夢なんじゃないか"と言おうとした瞬間、斉木くんに1歩踏み出し真剣な顔でそう語った明智くん
これは私が口を挟む事じゃないと察した
「教えて下さい。あの時君に何があったのか。君は私達に何をしたのか」
───────
「さっ……斉木くん……良かったの……？」
《……やれやれ。やっと静かになったか……》
今、目の前には石になり固まっている明智くん
斉木くんが眼鏡を外し石化させたのだ
黙らせる最終兵器が怖すぎる……
《ついにバレてしまったな……どうしたものか……》
「やばかったね……」
《とりあえず石化して時間を稼いだがここから逆転の目はあるのか？》
「もう白状しちゃえば？」
《ダメだこいつは絶対バラす》
「お喋りだもんね……」
でもそれなら鳥束くんもそうだ
環境は違ったといえ、鳥束くんにもみーこにも意外と素直にバラしている
あれは2人も能力者だから……？
でもここまで隠そうとしたのは初めてだ
やっぱり明智くんと何かあったのだろうか
「……やっぱり聞きたい」
《何をだ》
「しつこいって言われたから最近聞かなかったけど……ここまで明智くんに隠す理由。やっぱり知りたい。何があったの？」
《……バレる訳にはいかないのだ。特にコイツにはな……》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくら(プロフ) - 面白すぎて3日かけて一気見しました！！！続き待ってます、、！ (1月6日 1時) (
レス) id: 66961b81e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆくえ - めっちゃ面白くて一気見しました！！続きが待ち遠しいです（笑） (12月29日 18時) (レス) @page22 id: 1a15f30eb5 (このIDを非表示/違反報告)
無記名(プロフ) - この小説を読んでる時間がほんとに幸せで楽しくて終始ずっとニヤニヤして読んでました笑是非また私を幸せな気分にさせてください！更新お待ちしております！ (10月14日 1時) (レス) id: 12db53baf5 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すき (8月2日 22時) (レス) @page22 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
xxxxmai618(プロフ) - とても面白いです！ (7月19日 21時) (レス) @page22 id: 8afb08730b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まつり | 作成日時：2021年8月22日 14時
