Ψ後の晩餐12

第538χ ページ49

｢これは危ない……！！｣

《まさか録画中だったとはな》


その映像からは｢ぎゃあああ！！｣という目にポテトが突き刺さった三人の悲鳴が聞こえ、これはホラー映像なのではと少し身震いした


｢痛々しい……｣

《危ない危ない……もう少しでバズる所だった……》

｢ちょっと消す前にもう1回見せて！｣

《海藤が起きるぞ》

｢1回だけー｣


斉木くんからビデオカメラを貸してもらい、もう1回最初から見ることにした

映像には、アゴにポテトを挟む燃堂くんも、喧嘩する窪谷須くんも写っていた
そして何より、提案を全否定され拗ねて突っ伏している私も綺麗に写っている

その後キラキラした心美ちゃんが写り、先程まで写っていた突っ伏している自分を哀れんだ


｢……なんでこんなにもキラキラ感が違うんだろう……｣

《それは仕方ないな》

｢仕方ないの？！いや仕方ないんだけどさ！！ちょっとはフォローしてよ！｣

《そうだな。キラキラ感が違うんじゃない》

｢えっ……｣


何を言ってくれるのだろう？どういう風にフォローしてくれるのだろうとわくわくドキドキしていると、斉木くんは目を閉じ長い溜息をついた


《君にはキラキラ感が無い》

｢…………え？｣


目が点になった
あれ？フォローしてくれるんじゃないの？


｢今の聞き間違い《では無いな》

｢ひどい！！｣


確かにキラキラ感があるのと無いのとじゃ違うでしょうね！！もういいよ！斉木くんなんて嫌いっ！


心でブツブツと呟きながら、ピッと削除ボタンを押した


｢でもさ、もし私がヨーツボ始めたらどうする？｣


先にスタスタと歩いていく斉木くんを追いかけ、顔を覗きながら聞く

斉木くんなら、"どーせすぐ終わるから止めろ"とか言うんだろうな……


《別に。自由だろ》

｢えー！！ほんとに？！始めちゃおうかな？！｣

《ほんとすぐに感化されるな》

｢いい事じゃーん｣

《あまり周りの影響を受けすぎるな。いつか痛い目にあっても知らないぞ》

｢…………｣


急な説教！！
……でも私の事心配してくれてるのかな？


｢心配してくれてるの？｣


また顔を覗きニヤニヤして斉木くんを見ると、ギロリと睨まれた
返事は無く、無言の圧が怖い……


｢わ、わかってるよやらないよ……｣


そんな事言うけど、斉木くんは絶対助けてくれる
でも、頼りっぱなしはだめだよね


｢いつもありがとう｣


腕にギュッと抱きつくと、離れろと腕を振りほどかれた


《なんだ急に》

｢べっつに〜｣

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