Ψ後の晩餐7

第281χ ページ6

｢それより鳥束くん、おろしてよ｣

｢え〜もう少し……｣

｢やだー！！｣


抱っこされるのはこんなに屈辱的な物なのか……
前の斉木くんに悪い事しちゃったかな


鳥束くんにおろして貰い、改めて周りを見る

…………何も見えない
みんな背が高くて巨人みたいだ

これは怖い……！！


｢斉木くん抱っこ｣

｢あれ？！いやおかしくない？！斉木さんも何自然に抱っこしてんスか！！｣

《とにかくAさんの様子を見るしかないな》

｢いやそうッスけど…………｣

｢じゃあ今日は帰ろうか斉木くん｣

｢お？なんだおめーら結局何しに来たんだ？おれっち忙しいんだから邪魔すんなよ｣

｢アンタが俺たちの邪魔したんスよー！！｣


斉木くんは片手に私を抱っこし、もう片手で鳥束くんの襟首の後ろを掴み引きずりながらカラオケを出た





───────




｢ちぇーっ、いい所まで行ったのに｣


いや結果は見えてるだろ


｢なんの話？｣

｢いやなんでもないッス……！！｣
(次ッスからね斉木さん……！！)


言っとけ

やれやれ、やはり追ってきてよかった
もう何回言ったかわからないが鳥束とAさんが一緒にいる時はろくなことがない

今回も何か起きるとついてきたが…………


僕の腕には小さなAさん


まさかこんな事になるとはな……


｢今日の所は一先ず退散しますよ！｣
(でも斉木さん……俺の中に諦めるって文字は無いッスからね……！！)


無いんじゃなくて知らないんだろ
赤ちゃんからやり直せ


｢じゃ、俺こっちなんで！Aちゃん、次はちゃんと遊びましょーね｣


ポンポン、とAさんの頭を撫でた鳥束は帰って行った


(……頭ポンポンされた……鳥束くんに……)


鳥束をぼーっと見るAさんを見て気づいた


頭ポンポンに弱い
単純だな

そう思うと同時に、小さな焦りがうまれる

Aさんの鳥束に対するあんな顔は初めて見た

……少しやばいかもしれないな


｢斉木くん？重い？｣


ハッとなりAさんを下におろす


《もう自分で歩け》

｢うん……！｣


僕が先に歩き出すと、Aさんもついてきた

が、遅い
必死に走って追いかけてくるが、よろよろしていて危なっかしい

はぁ……


｢わっ？！｣


Aさんを抱き上げ、瞬間移動で家に帰った

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