【実.況者】俺らの幼馴染みが馬鹿すぎた件【最/俺】 (ページ6)

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#06 -キヨ- ページ6

私は最俺ハウスのソファーで寝ていた。
誰かが同じ空間に居てくれないと、落ち着いて寝ることができないからだ。

どれくらい眠っていたのだろう。
肩をぽんぽんと叩かれる。
“誰だ”と思い目を開ける。

キ「おはよ」

なんだよ。お前かよ…。
珍しくちゃんと私服を着たキヨくんがソファーに座っていた。
キヨくんが私を起こすときはろくなことがない。
だから私はまた寝ようと、目を閉じた。

キ「おいA！今日はマジでいい話だから！」

カメラを回しているからこのテンションなのだろう。
どうせ、ドッキリか何かだ。
…あれ？
そういえば私、最俺とコラボしたことねぇな。
え、じゃあ何？本当に“いい話”なの？
私は体を起こし、キヨくんと向かい合う。

『何？』

キ「今からレトさん家行くけど、一緒に来るかなって…」

私のテンションが爆発した。

『レトルト様の家行けるのっ！？』

キ「おん。レトさんいいって言ってたし」

なぜなら私は、レトルト様が大好きだからだ。
尊敬する実況者がレトルト様。
一番最初に見た実況動画(最俺除く)もレトルト様。
レトルト様信者を極め続けている私は、神様のお家に行けるという信じがたい話にテンションが上がっていた。

『レトルト様…はぁっ！尊い！』

キ「Aキモい。早く行くよ」

『キヨくん、ありがとぉ！』

私はキヨくんに抱きつき、そのまま最俺ハウスを出た。
道を歩いているときに気づく。
私スウェットだし、メイク落ちてるし、スマホと千円札しか持ってない…。
それに時間は深夜2時。最悪だ。

『ねえ、キヨくん』

キ「ん？」

『私こんな格好で神様に会えない』

キ「えぇ…でも、Aん家レトさん家と逆方向だぞ」

えぇ…。
こんなぶっさいくなのが神様の家に行っていいのだろうか。
私やっぱり行くの止めようかな…。

キ「お前かわいいんだからメイクいらねぇよ」

『えっ…！？』

キ「美人はスウェットでもかわいいよ」

キヨくんは、お世辞をつらつらと並べる。
そこまでして、私を持ち上げる理由って何なのだろうか。

『お世辞ありがとう』

キ「…お世辞じゃねぇよ」

私の言葉に一瞬驚きの表情を見せたが、急に表情を和らげそう言う。
やべ、イケメンだこいつ。

『キヨくんいつからそんなイケメンになったの？』

キ「産まれたときからかな」

真顔でそんなことが言えちゃうキヨくんはナルシシストという病気かもしれない。
でも、最後は2人で笑い合えるんだもん。
キヨくん依存症なのかもしれない笑。

続く