Prolog �� ページ2
ここはカルデア。
私は人理最後のマスターとして、可愛い後輩やサーヴァント達と人理修復の探索をしてるんだ。
「マシュ〜」
「はい、先輩。何でしょうか？」
お昼時、マシュと食べようと呼ぶ。すると、ぱぁ、と顔が明るくなり頬が赤くなった。
「ヴッ...一緒に食べない？」
「私で良ければ、是非！」
後輩が可愛い。
「立香ちゃん、マシュ」
「あ、ドクター。いま休憩ですか？」
「うん、皆に急かされちゃって」
あー、と声を零せば、マシュの苦笑いが見えた。
「ドクター、また徹夜したでしょ」
「...当たり」
トホホ、と言うような顔をしたまま、ドクターは食事を隣合って座る私達の前に置いた。
「いや、新たな特異点...でもないか。特異点に近い、微小な違和感が昨日発見されてね」
「違和感？」
「まだ良くはわからないんだけど、特異点とは何かが違う。恐らく聖杯によって創り出された世界かもしれない」
私は首を傾げる。
今まで修復してきた６ヶ所の特異点は、その土地にいた誰かやサーヴァントが聖杯でサーヴァントを召喚し、敵として対峙したモノだった。
聖杯によって創り出された世界、というのは無かったはず。
いや、第五特異点は聖杯によって創り出されたサーヴァントがラスボスだったけど。
「それで、何で徹夜に繋がったの？」
「いや、聖杯の魔力であまりわからなかったんだけどね。...生体反応らしき反応があったんだ」
「えっ！？ドクター、カルデア以外の人類はいないって」
「そうなんだ。だから、その反応がなんなのか調べてたら...ね」
「...ドクター。聞きたいことはありますが、一言。しっかり寝てください」
「耳に痛い...！」
食事の音が喧騒に掻き消される。
今日のエミヤの料理、生姜焼き定食だっけ。美味しいな。
「それで、立香ちゃん。レイシフトしてくれないかい？」
「いいけど...聖杯を回収して、生体反応の元を探せばいいの？」
「ああ、バックアップは任せて」
ドクターの頷きに笑って、食べ終わった料理を片付ける。
「聖杯で創り出された世界か〜。全然想像つかない」
「私もです。しかも、生体反応があるなんて」
「普通ではないよね」
レイシフトの転送位置をドクター達が調整しているのを見ながら、マシュと話す。
「でも、気になるかなぁ」
『気になるんですか？』
唐突に脳に声が響いた。
うひっ、と女子にあるまじき声にマシュが驚いた。
「どっどうしたんですか！？」
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2019年11月3日 11時
