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｢北斗〜クリスマスの合コンまじ無理なの？｣
｢合コン興味ねえし、てか用事あるし｣
｢えー、頼むよ｣
女の子誘っちゃったしって、言われても北斗はいい返事をしない。
｢まじで無理｣
｢んだよ、どーせ長谷川さんだろ｣
｢は、なんでだよ｣
急に自分の名前が呼ばれてドキリとした。あ、これ以上聞いちゃ駄目だって思ったけどその場を動けなかった。
でも、それがいけなかったんだ。
｢付き合ってんじゃねえの？｣
｢付き合ってねえよ｣
｢ワンチャン狙ってるっしょ｣
｢ほんとまじでないから｣
冷たい声で言い放す北斗。
なんでだろ、さっきまであったかかった心が急に冷える。
｢いつも一緒に飯食うじゃん｣
｢それはお互い一人暮らしだから｣
｢まじでないの？｣
｢ないない、絶対ない｣
俺と長谷川先生が付き合うなんて有り得ないから、なんて。もうこの話は終わりというように北斗は言った。
ああ、聞かなきゃ良かったって思った。
こんなの知りたくなかったって思うくらいには、私は北斗のことが好きなんだって今更ながらに気づく。
ずっと仲のいい後輩だと思ってた。でも最近色々あって、北斗が私を特別に思ってくれてるのかなあって自惚れてた。
たぶん、好きになりかけてた。でも、今気づけて良かった。だってまだ引き返せる。
｢じゃ、お疲れっす｣
｢お疲れ｣
後輩が帰って、ちょっとしてから講師室に入った。北斗はもう準備ができてて、もう行ける？って聞いてくる。
でも、今日のご飯は一緒に食べれないなあって思った。だって、今北斗の目を見たら泣いてしまいそうだった。
だから、今日締切のレポートがあるって嘘をついた。急いでるって顔を作って、ごめん、先帰るねって走って塾をでる。
｢何よ、もう、期待させないでよ｣
ひとりになった途端涙が溢れた。街灯が涙でぼやけてキラキラしてる。私の心はボロボロなのに。
はやくひとりになりたい。ベットにくるまって泣けば、きっと明日には元気になれる。そう思ってまた1歩踏み出した。
でも、意地悪な神様は、そう簡単に言うことを聞いてくれなかった。
だって、
｢A先生、…泣いてるの？｣
て、聞き慣れた声と一緒に腕が掴まれた。
なんでいるのって聞きたくても声にならなくて。黙りこくっていれば、あの日のように身体がふわりと暖かくなる。
｢俺がいるよ｣
11月も終わるの寒空の下。
この日初めて、私は田中くんを男の子として意識した。
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sail(プロフ) - ゆーみんさん» コメントありがとうございます！キュンキュンがお届けできて嬉しいです！ (2020年11月29日 16時) (
レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん - めっちゃキュンキュンしました！ (2020年11月29日 15時) (レス) id: 505bb2abee (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» タイトルの意味にまで気付いていただけてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2020年11月13日 13時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
早瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は間違いなく樹の目線だったタイトルが、最後の最後で長谷川先生のタイトルになったこと、お洒落すぎました。素敵なお話をありがとうございました。次回作も楽しみにしています！ (2020年11月13日 10時) (レス) id: d923da9d53 (このIDを非表示/違反報告)
sail(プロフ) - 早瀬さん» コメントありがとうございます。想いあってたのにすれ違った2人を書いていて、私も切なくなりました、、、これからも更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 68c0c1ca67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sail
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2020年10月23日 11時
