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廿伍-25- ページ26






「A……A起きなさい。」


ここはどこだろうか?
私は先程まで汽車に……。


重い瞼を持ち上げると目の前にはとても綺麗な女性…………母様がいた。



「いい天気だからってお外で寝ては風邪をひいてしまうでしょう。」


咎めるように言う母様。
けど、その言葉には優しさが溢れている。



『母様……。』


そこに居るのを確かめたくなって手を伸ばす。


が、そこで、はたと、気づく。



これは夢だ。



母様(このひと)が生きているはずが無い。



「どうしたの?」


私が伸ばしかけた手を母様は優しく包み込む。


「あら、やっぱり手は冷えてるわね。早くお家の中に入りましょう。」



存在するはずのない大切な人の温もりが私の胸を痛める。



そうか、これが、血鬼術なのか。



今すぐ、目覚めなければ……と脳内で警鐘が鳴る。


ここにいてはダメだ。


この人は、母様は、もう……。


『ごめんなさい。母様。私は行かなくてはいけません。』



「どこへ?もうすぐ日が暮れますよ?」



『ごめんなさい。もう一度、もう一度、貴方に会いたいと私は確かに願いました。』


「A、どうし……『けど!今はその時ではない!私はもう二度と大切な者を失う訳にはいかない!』


「それが、貴方の判断なのね。」



悲しそうに微笑む目の前のこの人は、本物だったのかもしれない。


「体に気をつけてね。私たちはあなたの事を愛しているわ。」



溢れ出そうになる涙をこらえ走り出す。



たとえ、これが、都合のいい夢だったとしても、確かに私の願いは叶ったのだ。


それで十分。


だから、今は頭を切り替えなければ。


命ある者を助けるため、守るため。


人がいない場所に来ると静かに自分の首に刀を添える。



こういう夢の目覚め方は…………。





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抹茶タピオカ2号(プロフ) - 星花(ほしか)さん» とても面白いです!(* >ω<)続き待ってます!( ≧∀≦)ノサネミ―私の推し!( ´∀`) (2020年2月19日 10時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
オタクだお! - とても面白いです!(* >ω<)続き待ってます!( ≧∀≦)ノ (2020年2月15日 23時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
オタクだお! - とても面白いです!続き待ってます! 頑張ってください( ≧∀≦)ノ (2020年2月12日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
オタクだお! - 新しいの読みました!面白いです!続き待ってます( ≧∀≦)ノ頑張ってください(* ´ ▽ ` *) あ、ちなみにこゆきです!報告忘れてごめんなさいm(_ _)m (2020年2月10日 19時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
オタクだお! - 新しいの読みました!面白いです!続き待ってます( ≧∀≦)ノ頑張ってください(* ´ ▽ ` *) (2020年2月9日 1時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宮原星花 | 作者ホームページ:https://www.alphapolis.co.jp/novel/905339711/7133683  
作成日時:2020年1月24日 20時

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