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side_you
家に着き、部屋に戻るとまるで強盗に入られたような惨事になっていた。
もちろん、犯人は私だ。
服を選ぶために、持っている服全てを引っ張り出したから。
「片付けるか…」
仕方なく足元にある服からつまみ上げる。
樹「うっわ…きたねぇ」
開けっ放しのドアから樹が覗いている。
風呂に入ったらしく、髪は濡れていて上裸だった。
「うるさいなぁ…てか、服くらい着てよ」
樹「まぁまぁ」
なにが、"まぁまぁ"よ。
しかもそのまま部屋に入ってくるし。
樹「なんでこんなことになってんの?」
「…動物園」
樹「え?動物園??」
ちょうどいい、樹に服を選んでもらおう。
「北斗くんと動物園行くんだけど、何着ていいかわかんなくて」
樹「なるほどね」
「なにがいいと思う?
樹なら北斗くんの好きそうな服わかると思ったんだけど…」
樹はそこら中に散らばる服を見渡す。
樹「…北斗なら……、なんでもいいんじゃね?」
「え?」
それは意外な答えだった。
樹「あいつ、あんまり服とか気にしないタイプだし…」
「そう、なの?」
樹「それに、お前が着るならなんでも喜ぶよ」
そう言って樹は部屋から出て行ってしまった。
「なによ、冷たいな…」
結局、私は1人で服を選んで片付けた。
それから、早く来週の日曜日にならないかな…と、思いながら眠りにつく。
北斗くんも同じ気持ちだといいな。
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作者名:さいか | 作成日時:2018年10月1日 22時