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智｢でもだから、この学校で雨芽を見かけた時は驚いたな｣
｢…｣
智｢ここ家から結構遠くて、しかもわりと頭良いでしょ？俺そんなに頭良くないから大変だったんだけど(笑)｣
｢…分かります(笑)｣
智｢…今思えばあんなに無理してこの学校受けたのも、雨芽から逃げたかったんだろうな｣
｢…え？｣
ふって
困ったように、下がる眉。
智｢…怖かったんだ俺、雨芽の傍に居るのが｣
｢…｣
智｢本当に怖い思いをしたのは雨芽の方なのに、“ごめん”も言えずに逃げてばっかで、最低だよ｣
｢…センパイ｣
瞬きもせず一点を見つめるセンパイの目が
後悔の色で揺れている気がした。
｢…センパイはいつから気付いてたんですか？雨芽ちゃんがこの学校にいるって｣
智｢…わりと最初の方だよ、めちゃくちゃ可愛い子がいるって同級生もみんな騒いでたから｣
｢…あ、そっか｣
智｢…それに、｣
急に動きを止めて
表情を少し曇らせたセンパイ。
智｢…｣
｢…センパイ？｣
智｢いや、なんでもない｣
｢…？｣
小さく俯いたと同時に目が前髪で隠れて
それ以上センパイの表情は分からなかった。
だけど何故か
私にはセンパイがこのまま泣き出してしまいそうに見えて
何か言わなきゃって
そう思ったんだ。
だから
｢…センパイは、センパイの絵には、人の心を動かす力があります｣
馬鹿な私はまた
センパイの前でセンパイのことを力説してしまうの。
智｢…え？｣
｢私初めてセンパイの絵を見た時、本気で世界がひっくり返ったと思ったんです｣
智｢…｣
｢今まで自分が見てきたものって何だったんだろうって思うくらい、心を動かされたんです｣
｢えっと、だから…だからっていうか…｣
智｢…｣
｢…とにかく、そんなすごい絵を描くセンパイが最低なわけないです！｣
あの日私は確かに
センパイに救われたんだから。
智｢…ふ｣
｢…え｣
智｢ありがとう｣
智｢…やっぱり日向さんって面白いな｣
｢へ？//｣
智｢雨芽がいつも楽しそうに笑いかけてるあの子、どんな子なんだろうって思ってあの時話しかけてみて良かった｣
｢…あ｣
『1年2組の、日向Aさんだよね？』
｢あれってそういう…｣
智｢怪しかったでしょ、ごめんね(笑)｣
全然、怪しくなんかなかった。
私あの後嬉し過ぎて廊下全力疾走したんですよって言ったらセンパイは
どんな顔をするかな。
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skomiya0617(プロフ) - 更新頑張ってください (2020年6月14日 13時) (
レス) id: 8e4b334675 (このIDを非表示/違反報告)
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