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93* 欲しいのは恋だから ページ45

「お妙さん、ありがとう
じゃあ銀ちゃんの所に行ってくるね!」

「ええ。……Aちゃん」

「ん?」


しっかり乾いた昨日のワンピースとパンプスを履いてAが門をくぐる時、お妙は彼女の背中に声をかけた。


「Aちゃんは強い子だけれど…貴方が無茶すると、心配してる人は沢山いるからね」

「……うん。ありがとう、お妙さん」

「頑張ってらっしゃい」


もう一度同じ返事をしたAだが、顔つきは少し違っていた。
その真意は明らかである。


どんどん、


「銀ちゃん〜Aです!」


万事屋に着いて軽い力で古い引き戸をノックする。
奥から軽い足音が聞こえて来て、引き戸が開かれるとそこにはチャイナ服があった。


「A! 久しぶりアル! 上がって上がって!」

「神楽ちゃん! おじゃまします」


嬉しそうに小さな身体が抱きついて来て、すぐに家の中へ促される。
中には新八もいて軽く挨拶するが、着流しの男は気怠そうに新聞を読んでいた。


「銀ちゃァん、お客様アル〜Aヨォ」

「……おー。じゃ奥きてくれ」

「ちょっと銀さん、お客さんならちゃんとお迎えするべきでしょ。
どうして銀さんの部屋に入るんですか」

「お前らにゃまだ早えからだよ」


鼻をほじりながらそう言って立ち上がる銀時。
新八はAに謝りながら渋々茶を注ぎに行った。


「…銀ちゃん、昨日心配して来てくれたの?」

「……ん?あー…まぁそんなとこ」

「ありがとう。…その、話って」


自室に案内されて二人きりになると、少し落ち着かない様子でAが切り出した。
…すると銀時も真剣な顔つきになって。


「…お前を」

「うん?」

「ちゃんと貰いに行こうと思ってよ」

「……うん?」


首を傾げたAの手を強く銀時は握った。
もう逃さないかのように。


「……A。お前に惚れてる」

「……っ、銀ちゃん、私総悟が、」

「……あいつはもうお前の元には戻らねェよ」

「…!?」


徐々に近づく銀時の顔。至近距離で言われた衝撃の言葉に、Aは必死に男の両肩を押した。


「…〜〜っ嫌!」

「……彼奴が何で一昨日帰ったか…教えようか」

「…!」

「俺に依頼してきたんだよ。_お前を探してくれって
だからこれは依頼の報酬って訳」

「依頼の……報酬?」

「あァ。彼奴に…Aをくれっていう、報酬」

「……っっっ」


気がつけばAは、銀時の頬を叩いていた。

94* 運命は魔法じゃない→←92* 不器用は大嘘つきの始まり



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- うぇ!? なんですかこの作品!…………神じゃないですか!! 作者様神ですか!? この神作品を作ってくださって有難うございます!いつまででも更新待ってます! (2018年10月3日 19時) (レス) id: 6ebd955238 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - 主人公とキャラの駆け引きがとっても自分のタイプです!これからも応援しています! (2018年4月3日 22時) (レス) id: 2e9a8055ee (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - これからも頑張ってください! (2018年2月10日 12時) (レス) id: 5460fa1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 総悟大好きなので、すごく面白いです!これからも更新がんばってください! (2018年1月31日 20時) (レス) id: f4f18cc943 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田くんオチですか。…沖田くんオチって意外と人気あるんですよねコレが。こんな駄作者な私でも100hitも行けるくらい。沖田くんはやっぱ最高だった。続き待ってます。と言っても最後のセリフは完全に襲う気マンマンだけど。 (2018年1月8日 6時) (レス) id: 2ca11f0d25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2017年10月29日 20時

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