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75* 小さな嫉妬 ページ27

「おい、A―…」

「二人が仲良くなったって分かるまで、総悟は私の家入り浸るの禁止だから」

「はァ? そりゃねェぜ、」

「A、私は!」

「神楽ちゃんは……いつでもウェルカム」

「何だテメェその顔は」


途端に首筋から汗を垂らす総悟が、心底嫌そうに勝ち誇った顔の神楽を射殺すような目つきで睨む。
 それを見て、さらにAが総悟、と咎めるように呼んだ。


「とにかく、二人には仲良くなってほしいの!
どうして喧嘩しか出来ないのよ? もっと楽しい事なんて沢山あるでしょ!」

「待てよA、」

「ついてこないで!」

「……チ、参った」


ふん、と鼻を鳴らして、勢いよく踵を返して帰路をいく。ふわふわの茶色い髪が揺れて、それを呆然として総悟は目で追いかけていた。


やがてお屋敷の中に入って彼女が見えなくなると、我に返ったように大きく舌打ちをして神楽を睨む。


「おいチャイナ、何とかするぞ」

「私はどうって事ないアル。このままでもいいネ」

「テメェは良くても俺がダメなんでさァ。……酢昆布1週間分でどうでィ」

「2週間分で手を打つアル」

「覚えとけよテメェ……」




リンゴン__


「A、俺でさァ。開けてくだせェ」

「……総悟? 私、」

「A! 私たち、元々仲がいいアルよ!
そりゃ毎日喧嘩はするけど」

「喧嘩するほど仲が良いって言うだろィ
ほーらこの通り。…な? 神楽」

「そうアルよ〜総悟!」

「……え、っと、あ、…」


引き戸を開けた瞬間、有無を言わせず怒涛のように繰り広げられる二人のやりとり。
総悟が神楽を呼び捨てにしてるのを聞いたのは初めてだった。

 終いには二人仲良さげに肩組んで。

――なんだろう、これ。


「そ、そうなんだ…。はは、…そりゃよかった!」

「何でィ、信じてなさそうだなァ」

「し、信じてるよっ」

「何で目逸らすんでさァ。ほら、神楽とは本当に仲良いんですぜ」

「A、ほら!」

「……っ」


神楽を更に引き寄せて頭をぽんぽんと撫でる総悟。
神楽はニコニコ笑いながら彼の足をギリギリと踏みつけているが。

そんな事もつゆ知らず、都合悪そうに目をそらすA。

―…この気持ちは、何?


「……これで信じてくれやした? じゃ、帰りやす。神楽」

「……おう」

「……、」


総悟が、ゆっくりと踵を返す。
神楽がそれに着いて行く――


ぱし、


「―……」


気付けば、総悟の手を引き止めていた。

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- うぇ!? なんですかこの作品!…………神じゃないですか!! 作者様神ですか!? この神作品を作ってくださって有難うございます!いつまででも更新待ってます! (2018年10月3日 19時) (レス) id: 6ebd955238 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - 主人公とキャラの駆け引きがとっても自分のタイプです!これからも応援しています! (2018年4月3日 22時) (レス) id: 2e9a8055ee (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - これからも頑張ってください! (2018年2月10日 12時) (レス) id: 5460fa1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 総悟大好きなので、すごく面白いです!これからも更新がんばってください! (2018年1月31日 20時) (レス) id: f4f18cc943 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田くんオチですか。…沖田くんオチって意外と人気あるんですよねコレが。こんな駄作者な私でも100hitも行けるくらい。沖田くんはやっぱ最高だった。続き待ってます。と言っても最後のセリフは完全に襲う気マンマンだけど。 (2018年1月8日 6時) (レス) id: 2ca11f0d25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2017年10月29日 20時

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