69* そうだ、夏祭 ページ21
「総悟、休んでないと」
「もう休み疲れやした」
仲直りをして、2日ぶりに甘い気分で一緒にいる二人。
2日は総悟にとって耐えられなかったのか、ぎゅうぎゅうとAを後ろから抱きしめて一向に離す素振りを見せない。
そして、Aは身動きの取りにくい中パスタを茹でる。
Aも嬉しそうにしていた。何だかんだでAも限界だったのだろう。
「パスタ、食べれる?」
「あーんしてくれたら」
「はいはい」
満更でもない嬉しそうな顔して、茹で上がったパスタにソースをかけてお皿に盛る。
二人でお皿を持ってリビングまで戻り、向かいでは無く隣同士で座った。
「はい、総悟」
「……あー」
「…美味しい、」
「うまひ、」
口一杯に麺を入れて、相変わらずのポーカーフェイスで頷く。
それでも、美味しい、の言葉にAは嬉しそうにしていた。
……なにかを、忘れているような気がする。
「―…あ、思い出した!」
「何をでィ」
「総悟、今週の日曜非番?」
「俺はいつでも非番でさァ」
「……夏祭、行かない?」
もう既に自分でフォークを握って食べていた総悟が、口を動かしながらこちらを見た。
うきうきした表情で目を合わせるA。気のせいか、耳と尻尾が見える。
「……いいですぜ。ただし、浴衣は俺が選びまさァ」
「え〜…持ってる着物じゃだめ、」
「敵から貰った服なんざ着させねェ」
からんとスパゲッティを平らげて、キッチンに持っていく。
お皿を水洗いだけでもしてくれるあたり、デキる男だ。
「――だけど、もう夏祭、明々後日だよ。
こんな時期に買ったら高いのしか、」
「――俺の職業何だと思ってんですかィ」
「この税金泥棒!! 好き!!」
懐から黒い長財布を取り出してニヤリと笑った総悟。
不覚にも格好良くて思わずAは抱きついた。
「あーでも、柄は私が選んでもいいんでしょ?」
「何がご所望で? 姫さん」
「――…ひまわりがいいな」
「ひまわり? いいですけど…何でまた、」
ぼんやりと頭に浮かんだのは、ひまわりだった。
何故か、前世にすごく好きだったという事だけは覚えている。
理由を聞かれれば、困るのだが。
「……わかりやした、ひまわりな。
良いところ連れて行ってやるから楽しみにしなせェ」
「…ありがとう! わくわくしとく!」
――正直、何を着ようが…後で脱がすから関係ねェんですけどねィ。
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桃 - うぇ!? なんですかこの作品!…………神じゃないですか!! 作者様神ですか!? この神作品を作ってくださって有難うございます!いつまででも更新待ってます! (2018年10月3日 19時) (レス) id: 6ebd955238 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - 主人公とキャラの駆け引きがとっても自分のタイプです!これからも応援しています! (2018年4月3日 22時) (レス) id: 2e9a8055ee (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - これからも頑張ってください! (2018年2月10日 12時) (レス) id: 5460fa1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
さらんりちぇ(プロフ) - 総悟大好きなので、すごく面白いです!これからも更新がんばってください! (2018年1月31日 20時) (レス) id: f4f18cc943 (このIDを非表示/違反報告)
インク(プロフ) - 沖田くんオチですか。…沖田くんオチって意外と人気あるんですよねコレが。こんな駄作者な私でも100hitも行けるくらい。沖田くんはやっぱ最高だった。続き待ってます。と言っても最後のセリフは完全に襲う気マンマンだけど。 (2018年1月8日 6時) (レス) id: 2ca11f0d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おそらまめ | 作成日時:2017年10月29日 20時