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こちらも言いたい放題だ。
それでも彼らの目は正確に分析する目と優しい見守る目に別れている。
特に智がここに来た頃を知る者の目は優しかった。
正に子どもの成長を見守る親の目だ。
「おっ……」
「あれはあいつにしか出来ないな」
「だからってあれはないわぁ〜」
「再起不能だな」
「究極の急所狙いやがった」
「あそこまで躱されると狙いたくなるんだろう」
股を押さえて悶絶する同僚を皆、同情の眼差しで見つめた。
相手の股の間を抜けてその際、思いっきり急所を殴りつけていったのだ。
見ている者も心なし内股になる。
「智、あそこは止めろ……
本気の敵にはいいけど」
「だってぇ〜」
的確に急所だけを狙う事をわかっている隊員だから避け続けた智の攻撃。
最後に焦れて狙った究極の急所。
「腕は鈍ってないみたいだな。
最近、こっちに来ないだろ」
「うん。
クイーンになったから色々覚える事が増えた」
心の底からうんざりした顔をする。
その頭を撫でながら
「射撃場も行くか？」
「うん。
あっち貸して」
「好きにしろ」
「ラッキー。
じゃ行って来る〜」
ご機嫌に入って来たのとは違う扉へ向かって行った。
「ぶっぱなすって？」
「ああ……」
「大分ストレス溜まってんだな」
「あの野良猫が今じゃクイーンだからな」
「ハイビスカス隊の連中が最初、笑い堪えるの必死だったってさ」
「ほんわかにこにこ笑ってたらしい」
「ナイトの時とまた表情が違ってたんだってよ」
「そりゃ、疲れるわな」
本人がいなくとも盛り上がる。
ちなみにガーディアンには外警アマリリス、ベルフラワー、カトレア、ディジー。
内警エケベニア、フリージア、ガーベラ。
店警ハイビスカス、イベリスと言うなんとも可愛い花の名前の隊がある。
全員鍛え上げられた厳つい精鋭たちだ。
客に隊名を聞かれても警戒されない名前にしてある……らしい。
それは扨置き地下にある射撃場に向かった智はそこにいた隊員に声を掛けていた。
「マグナム貸して」
声が弾んでいる。
リボルバーであるマグナムはオーナーの趣味で置いてある。
射撃場でのみ扱える。
実戦ではどうしてもオートマチックの銃を使用する事になる。
ナイトたちにはコルトガバメント。
ガーディアンにはデザートイーグルが支給されている。
ナイトのコルトは各控え室に置いてあり、店外への持ち出しは禁止だ。
嬉々とマグナムを手に取り射撃ブースに入った……
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年2月10日 8時
