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「いやぁ〜ん」
不意になんともふざけた声が聞こえた。
雅紀と潤が声の方を見ると……いかにも軽そうな男３人に絡まれている智とニノがいた。
「やめて下さぁ〜い」
２人でしっかり抱き合いながら言ってる言葉は微妙に震えている。
「雅紀、あれ」
「ナンパだねぇ」
呑気な雅紀の声に潤が雅紀を睨む。
「もう睨まないでよ、目力半端ないから……
大丈夫だよ。
でも騒ぎになるのは面倒だから助けようか。
智、よろしく」
そう言って歩き出す雅紀の後を追い掛ける。
雅紀は男たちを押し退け
「何？
うちの可愛い子ちゃんたちに何か用？」
そう言いながらニノの肩を抱きながら、ちらりと潤に目配せ？をする。
それに？マークを浮かべながら潤も智の肩を抱く。
「なんだよ、おまえら。
俺らが先に声掛けたんだぞ」
「かずちゃんはあんなのがいいの？」
吠える男を無視して雅紀が優しい眼差しでニノを見る。
「雅紀がいいに決まってるでしょ」
ニノは俯いて照れた風で身を捩る。
「潤くん、サト怖かった〜」
と智は潤に抱きつく。
なんだか３人ともノリノリで仕方なく潤もノる。
「怖がってんだけど」
目力120％で睨む。
雅紀も一緒になって睨む。
爽やかなのに睨みを効かすと迫力がある。
「彼氏持ちかよ」
有りがちな捨て台詞を残して男たちは退散して行った。
男たちの姿が見えなくなった瞬間……
智とニノが大爆笑……
「ちょ〜うける〜
男と女の区別もつかない癖にナンパ〜」
「男にナンパ〜
笑うの堪えるの必死〜」
「ウインク下手なナイトもうける〜」
「でも可愛い〜」
自分たちをナンパした男たちだけでなく雅紀のウインクにも受けてる２人。
確かに出来てなかった。
２人は腹を抱えて悶絶している。
「…し……死ぬ」
智が潤にしがみつき体を震わせる。
どうやら恐怖で震えていたのではなく、笑いを堪えるのに震えていたようだ。
「失礼な奴は死んどけ！」
途中から自分に対して笑う２人に雅紀がキレた。
キレつつも笑い過ぎてまともに立てないニノを律儀に支えている。
基本優しい。
ふっと視線を感じて周りを見ると……
何事かと人が集まっていた。
潤が雅紀を突ついて視線で周りを見るよう促す。
気付いた雅紀は潤とともにまだ笑っている２人を引き摺ってその場から離れた。
人気のない所まで移動すると
「いい加減にしてよ」
雅紀が笑いの止まらない２人に呆れた声を掛ける。
「……ごめんね」
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年2月10日 8時
