４４ さよなら、ありがとう ページ44
「それで、貴方は何を神に差し出したんですか？
神がタダで彼等を解放するとは思えません。
何を……！」
「メディアで『神様、ありがとーー！』……と兎に角叫ぶ事？」
「「……………」」
再度……４人は…………固まった。
「なんなら神に祈りを捧げる動画でも撮って配信しておけばいいだろう」
「そ…そんな……そんなのでいいって言ったの？
ホントに本当？」
「そうだよ、雅紀。
神も暇なのだよ。
人間の願いを聞いてもいないからな。
何もしない癖に礼を言われ祈られたいんだそうだ。
それを促せば御機嫌になるのだよ」
「そんな……単純なもんなの？」
「１番、複雑に色々と考えたがるのは人間だ。
神は人間を適当に作り過ぎて人間は生きて行く為に自分達で考えねばならなかった。
結果…考え過ぎるようになったのだろうな。
翔のように……」
「笑わないで、放っておいて下さい！」
本当に唯、戯れて来ただけの如く楽し気に笑う妖魔の王。
神との死闘を思わせる話をしておきながら、本人は神と戯れた程度にしか思っていないようだ。
命懸けの戯れではあったが………
死の連続を乗り越え、ここにいる。
それだけで充分であった。
約束通り………５人でいるのだから。
「でもさぁ、大ちゃん……どの神様に祈ったりお礼言ったりしたらいいの？
神様っていっぱいいるじゃん」
「何でもどれでもいい。
神の形など人間が作った物だ。
天にいる神を見た訳ではないからな。
天に上がれば神は１人若しくは数人だ」
「そんな物なの？」
「そんな物だ。
肉体を捨て雲の上を漂っているだけだ」
実際に神を訪ね会った事のあるのは智と狂気の王の２人のみ。
翔とて１度は天に上がりはしたが妖魔の王の懐に小さな石となり隠されていた為……神を見ていない。
その後は神の井戸にて不死の水を盗んだが故、早々に帰った。
だから神には会ってもいないし見てもいなかった。
神の姿を唯一知るのは２人のみ。
その智が言うのだから、それが真実なのだろう。
事実、真実である。
「その代わりに今後一切……今度こそ神は地上に関与しないそうだ。
潰さないだけましだし、今までも無関心だったから問題はなかろう」
「……そんな事を言っているとまた光の矢が降って来ますよ」
「だから…地上に神の意識は向いていないから有り得ない」
「じゃあ、今まで通り一緒にいられるんだね！」
「ああ……そうだ。
何を気にする事もなくな」
「やったぁーー！！
神様〜、ありがとう！！」
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
