３７ 天使の事情 ページ37
「でもまぁ……難しい事、考えるのは翔ちゃんに任せるね。
そういうの俺、苦手だからさ。
頼みにしてるよ、翔ちゃん」
この素直な笑顔に誰が勝てると言うのだろうか。
あの闇の王すら………
「翔ちゃんはまだいるの？
俺は帰るけど……」
「そうだな、帰るよ」
「じゃあ、一緒に帰ろうね」
何時だって輝く太陽の笑顔。
そして何の駆け引きもなく差し出される手。
どうしたって、その手を取ってしまう。
忙しく流れて行く日々。
「なぁ、ニノ……松潤、疲れてないか？
何時も以上に」
「ああ……仕事で完徹。
寝るのは意地でも大野さんの横……闇の国。
夕方から仕事行って……太陽に当たる事が殆どない。
曲がり形にも俺は勿論、潤くんも太陽から生まれた天使だよ。
お日様に当たらないと力も気力も低下。
天使としての記憶がない時も無意識にベランダ出たり窓際行ったり太陽の光を浴びようとしてたんだよ。
でも、今の潤くんはそんなの一切なし。
幾ら堕天使扱いでも元々は天使だからね。
そんな生活してたら壊れるよ」
「…………」
ツアーの準備期間に入れば多忙となり、一切の責任を担う潤は一際忙しくなる。
それは例年通り。
「今年は特に……意地になってるんだろうね。
大野さんが起きる前に潤くんが壊れて倒れたら意味ないからさ、できるだけフォローするけど」
「俺が……あんな事、言ったからか？
だからヤケになっているのか？」
「だろうね。
俺はさ、大野さん一筋だったけど潤くんは翔さんにも一目置いてるし尊敬もしてる。
その翔さんに頭ごなしに全否定されたら、そりゃあ…何処までも落ち込むってもんでしょ。
それにさ、翔さん……忘れてない？
俺等、相葉さんの年齢の半分の年だよ。
生まれて直ぐ事務所入ったからね」
「へっ…えっ…ええっ〜！」
「忘れてた？
生まれた時にはもう赤ん坊じゃなかったんだよ。
頭の中は赤ん坊以下だけどね。
本能すらない空っぽの状態だったからさ。
それを色々教えて埋めてくれたのが大野さんなの。
最初の本能なんだよ、俺等があの人を求めるのは」
「………」
王の戯れだと聞き流していた事に気付いた。
元々、彼等が天使だと教えられてなかった上に、その後……深く聞きもしなかった。
何時もと同じ王の気紛れな戯れだと聞き流していた。
例え事実……王の気紛れな戯れであったとしても。
翔にとってどうでもいい事でも……
彼等にとっては大事で大切な事なのだ。
彼等が未知の世界で生きて行く為に………
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蒼羽(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます。妖艶な王様さとさん楽しんでいただけてよかったです。私が書くとほわほわしてしまうので。格好良いさとさん目指しているんですけどね。そう言いつつ格好良いからは少しズレてますが……完読ありがとうございました！ (2021年10月18日 13時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 完結お疲れさまでした！面白かったです。妖艶な王を想像するのが楽しかったです！ (2021年10月18日 7時) (レス) @page47 id: 6d225d7753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2021年9月28日 2時
