３ ページ10
「スウィーツは別腹だけどね」
「わかる。
あれは別腹だよね」
ふわりと笑う。
うん、青空の下、大海原の上……似合うね。
「別腹あるなら大丈夫かな？」
そう笑ってあなたが出してきたのはタッパーに入った……ティラミス。
「先生、これも作ったの？」
思わず先生って呼んじゃったよ。
「クック師匠直伝だ」
そしたらクック先生は師匠になった。
タッパーにプラスチックのスプーン。
色気も何もないけど美味しい。
２人で掬って食べるそれはとても甘くて優しい味がした。
腹が膨れてまったりしてたら眠くなってきた。
気持ち良すぎるよ。
船の揺れが揺りかごのように眠気を誘う。
「相葉ちゃん、眠い？」
「うん、ちょっとね。
気持ち良すぎ」
「じゃあ、これ敷くか」
何やら袋を出して来た。
「何それ？」
「寝袋。
中に入らなくてもいいけど板の上に寝転がるのは背中が痛いだろ。
これ敷いて寝れば大丈夫かなって」
どこまで用意周到なの？
俺も大概だけど大ちゃんも振り切る時はとことん振り切るよね？
それで疲れちゃったんだろうけど。
どんな無茶振りも嫌だ、無理っていいながらやってクリアするんだもん。
大ちゃんのスイッチはパワーブースターまで付いてるよね？
１番年上で１番小さな体で１番やる時はやる。
そりゃ疲れるよね。
いつの間にか甘えてた。
大ちゃんならやってくれるって。
大ちゃんがいるから大丈夫って。
それに全部答えてくれてた。
俺たちメンバーは勿論、ファンもスタッフも大ちゃんならやれるってどれだけ期待とプレッシャーと無理をかけたんだろう。
それでもこっちが思う以上のクオリティでクリアするから皆の期待が膨れ上がる。
カメラに慣れない、人前で話すのが苦手、踊りだけを極めたかったあなたが大時化の海に放り出され最年長でリーダーで、１人舵を取り続けた。
皆、子どもだった。
そしてあなたもまだ大人ではなかったのに。
「はい、どうぞ。
この上でも中でも好きな方に寝転びな」
風が気持ちいい、陽射しが柔らかい。
だから上に寝転ぶ。
大ちゃんも同じように寝転がった。
「マジ気持ちいい〜」
「でしょ。
これでリフレッシュしてよ、相葉ちゃん」
…………。
やっぱりあなたは気付いたんだね。
俺が悶えてるの。
仕事がもらえるのはありがたい事。
例え体を使う事が多くても。
楽しい仕事だけど重なると辛くなる。
『見てるから……』
その言葉に嘘はなかった。
無理はしてない……筈だけど。
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蒼羽(プロフ) - 青子さん» 初めまして＆コメントありがとうございます！…もう嬉しすぎます。青子さんのお話もお気に入り入れて何度も読み返させて頂いてます。そんな方からのコメント嬉しすぎます。拙いお話にお付き合いありがとうございます。しかもタニス・リーファンだなんて…頑張れます！ (2021年11月26日 22時) (
レス) id: f9ecf164e6 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - 今回のラスト、まさかまさかでした。この先があったら、なかなか怖い事になりそう…などと妄想しております。蒼羽さんの作品をこれからも楽しみにしております。モンスターの太郎ちゃん、一郎君兄弟、楽しみにしております。最後にタニス・リーのファンです。 (2021年11月26日 16時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
青子(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます。蒼羽さんのお話は全部読ませていただいております。毎日の更新本当にありがとうございます。 (2021年11月26日 15時) (レス) id: d98076db62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼羽
| 作成日時：2020年11月26日 0時
