検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:254,759 hit

お兄ちゃんですから ページ20

浦田side


書斎に引きこもって読書をしていると、突然、ドアが勢いよく開いた。

うるさっ!

少しイラっとしながらドアの方に目を向ける。

俺の平和な読書を邪魔したのは、センラだった。

その顔は、いつもとは打って変わって慌てているような、どうしたらいいのか自分でも分からない、といったような表情だった。

しかし、そんな表情に相反して頬は紅潮している。


せ「う、うらたん、俺、俺……」


う「……次からはノックしてから入れよ、、、で、どうした?」


俺が座っている隣の椅子を指差すと、センラは覚束ない足取りで歩み寄り、力無く椅子に腰を下ろした。

………こいつが俺に相談しにくるなんて、珍しい。

まーしぃとか坂田とかからの愚痴は、今まで耳にタコができるほど聞いてきたが、センラは初めてだった。

意外と溜め込みやすいからなぁ、こいつ。

そんなセンラが俺のところにきたのは、きっとよっぽどのことがあったからだろう。

一応こいつらの長男なんでね、弟ちゃんの悩みの一つや二つぐらい聞いてやりますか。

それで、俺はセンラが話し出すのを待った。

センラは、呼吸を整えて、落ち着いてから俺の方を見た。


せ「うらたんは……恋とかしたことあります?」


ぶっ!!!

と、突然の爆弾発言に吹き出しそうになる。

いや、ガチで()

は?恋?…って、あれか、誰かを想うってことだったよな……?


う「いや、ねぇな」


いわゆる「初恋」とかの記憶すらない。

………多分。

あれ?初恋って経験したことあったか俺?無いよな???

考え込んでしまった俺を横目に、センラは自分を落ち着かせるかのように溜息をついた。


せ「まぁ、そうやろうとは思ったけど、俺も無いし」


う「……で、結局お前は何を言いたいんだよ」


まさか、恋愛したことないからしてみたーいっていうしょうもないことじゃないよな?

そんなんだったら今すぐここから退場させるけど。

かくいうセンラは、俺に何を言えばいいのか迷っているようだった。

視線をあちこちに彷徨わせ、やがて決心したかのように、再び俺の方に顔を向ける。









せ「俺…………恋、したかも」

恋愛相談→←この感情は



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (433 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
850人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , 男装女子   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

kne(プロフ) - 続き楽しみです。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: ee34aec55d (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - リスさん» リスさんなんですね!私はこたぬですが基本的に箱推しです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ぱるむさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 ありがとうございます! 今リメイク版を作成している最中なので、もうしばらくお待ちいただけると嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ランデブーさん» ありがとうございます!そう言ってもらえてとても嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
リス - 私も志麻リスです! (2021年6月24日 22時) (レス) id: 016461b9aa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よる | 作成日時:2020年7月30日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。