タイプとは正反対なのにね ページ14
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それは、お世辞でも社交辞令でもなく、ただ純粋にそう思った。
シャープなラインを描いた輪郭、猫のように甘く吊り上がった瞳、涙で濡れた長い睫毛、軽く開いた桜色の薄い唇、それらがよく映える白い肌と黒髪。
泣いている彼女に対して失礼だったかもしれないが、正体不明のやつに対してだから、まぁ大丈夫だろう、今のところは。
その時、俺ははっと我に返り、自分が最初から聞きたかったことを質問した。
名前やどこから来たのかと問うても、どうせ答えないだろうし。
し「……なんで泣いとるん?」
『あ………』
そこで彼女は、自分が泣いていたことを思い出したようだった。
そして、慌ててもう片方の自由な手で目をこすろうとする。
ちょっ、それは眼球押しつぶされてまうしあかんやろ!
と、何故か俺も慌てて彼女の腕を掴んで目をこすろうとしていたのを阻止する。
彼女は驚いたのか、やっと俺の方に顔を向けた。
涙で潤んでいる澄みきった瞳と目が合う。
それに心がやられそうになって、目を合わせないように彼女を自分の胸に引き寄せた。
抱きしめたその身体は、驚くほど小さく、細い。
その身体で、泣いてしまうほどなにを抱えていたのか。
思わず守りたくなってしまって、慌てて俺から離れようとする彼女を強い力で抱きしめた。
肩に、小さい顔が埋まっている。
先ほど会ったばかりのやつに好意を抱いたというのはおかしいのかもしれない。
けど、どうしようもなく、独りで薔薇に埋もれて泣いていた彼女を、守りたくなった。
し「……誰か知らんし、なんでここにおるのか分からんけど、……ええよ」
自分でも驚くような優しい声が喉から出た。
し「泣いても、ええよ」
すると、さっきまで抵抗していた彼女は、何かが切れたかのように、俺の方に顔を埋めて、静かに泣き出した。
彼女の涙が肩に染みて、冷たい輪を描く。
俺に抱きしめられて泣いてしまうまで、今まで我慢していたのか、たった独りで。
切なくなって、そっと彼女の頭を撫でた。
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本編がシリアス(?)な展開の中、雰囲気をぶち壊してしまうかものですみませんが、うらたさんお誕生日おめでとうございます!!!
うらたさんじゅういっさi(((((殴
でも私思うんですよね、うらたさん年々声が若くなってません……???
そっか、神だからか、うん()
生まれてきてくれてありがとうございます!
これからもついていきます!!!
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kne(プロフ) - 続き楽しみです。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: ee34aec55d (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - リスさん» リスさんなんですね!私はこたぬですが基本的に箱推しです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ぱるむさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 ありがとうございます! 今リメイク版を作成している最中なので、もうしばらくお待ちいただけると嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - ランデブーさん» ありがとうございます!そう言ってもらえてとても嬉しいです (2021年7月4日 12時) (レス) id: 79c7e82e9a (このIDを非表示/違反報告)
リス - 私も志麻リスです! (2021年6月24日 22時) (レス) id: 016461b9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よる | 作成日時:2020年7月30日 16時