となりの相楽さん【銀魂】

その７ ページ10

「まあ何はともあれ、先程は巻き込んでしまってすまなかったな、坂田殿。」


銀時「本当だよ！依頼人は大人しく守られておけばいいものを……」


「いやぁ、実はあそこまであやつらが拙者を狙うのにも…」


銀時「…何だよ、くだらねェしがらみでもあるってんのか」


「いや、別にないけども」


銀時「ないんかい」


思わせぶりから落としてくるのやめてくんない、と呟く銀時。

だが相楽は咳払いをすると、先程自分が使った武器に手を添えた。



「…妖刀というモノは知っているか、坂田殿」


そう聞く相楽に、呆れて帰ろうとしていた銀時はピタッと足を止めて振り返る。


「――かつて昔、この名もなき木刀は"天狗様"とも呼ばれた伝説的な剣客が使っていたと聞く。

ありとあらゆるモノをこれ一本のみで斬り、その生き血を啜って天狗様と共に生きてきた代物……ただの木刀というには惜しすぎる品でござる。」


銀時「…ソイツの魂かなんかがお前に乗り移ったとでも？」


愛しそうに木刀を撫でる相楽に銀時がそう聞くと、彼は頷いた。


「乗り移った、というよりかは彼の人格が拙者の中に書き足された様なものでござる。」


つまり拙者も意識はあるという事でござるよ、と相楽は説明する。


銀時「んなアホな…」


「捨てようにもそいつの魂が邪魔して捨てられないのでござる。

…呪いが解けなくても拙者は構わん。所詮侍と刀は表裏一体、愛する者も居ない故拙者はただ人の為に有るだけなのでござる。


だが、拙者は元凶がわからなくてはどうする事もできぬ。

何故こういう事になってるかというその原因を、知りたいのでござる！」


だから頼む！と再度頭を下げるAに、銀時は項垂れた。

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