TIME. 94ミステリートレイン(隧道) ページ45
世良さんが室橋さんの脈を盛る｡車内のトリックだと思ってはしゃいでいる元太君達に世良さんはゆっくりと死んでいると告げた｡
｢殺人!?これってマジな殺人事件なの?｣
｢ああ､誰かがこの人のこめかみを拳銃で撃ち抜いたんだ｣
｢でっでも､この部屋チェーンロック掛かってたから無理矢理鎖を引きちぎって入ったよね?だからじ殺なんじゃない?｣
蘭さんの疑問にこめかみに焦げ痕がないと世良さんが答えた｡怖くなって離したんじゃないかという園子さんという疑問に今度はコナン君がサイレンサーで離して撃つのは無理があると答える｡こんなことをすぐ分かっちゃうコナン君はいったい何者なんだろう…
｢とりあえずオメェ等は蘭姉ちゃん達と部屋に戻ってろよ｣
｢えぇ!僕達も何か手伝いますよ!｣
｢歩美もぉ!｣
｢余計なことすんな!俺が戻ってくるまで部屋に鍵を掛けて誰が来ても絶対開んじゃねぇぞ!｣
携帯を確認したコナン君が血相を変え怒鳴る｡まるでこれから危ないことが起こるかのようだ｡
｢何よ…急に…｣
｢怖ぇーぞオメェ｣
｢まぁ子供の僕達が出来る事はほんの僅かだしコナン君のいう通りにしようよ｣
駆けつけた車掌さんに世良さんは連絡してこの列車を止めるように言った｡
この人たち知り合いが亡くなったのに反応が薄い､この人たちは冷たい人だなと少し思った｡
僕は車内のアナウンスを聞きながら何かこの上ない不安に襲われている｡このお腹の底から沸き上がる不安と気持ち悪さはなんだろう｡
｢っ!?｣
ﾄﾞｸﾝｯ…ﾄﾞｸﾝｯ…
｢(顔に火傷…)｣
またあの顔に火傷がある人に会った｡目があっちゃった…吐き気が酷いし血の気が引くのも感じる､この場から逃げ出したい｡
灰原さんを見ていた気がするけど何でだろう…
本当に気持ち悪い｡
｢あれぇ?貴方も乗ってたんですね安室さん｣
｢えぇ､運良くチケットを手にいれたんで、さっき食堂車で毛利先生とお会いしましたよ｣
｢…パパ｣
パパがパパがいた…求めてた人が現れたから少し安心して身体中の力が少し抜けた。蘭さんから事件をあらましを聞いたパパが漸く僕に気がついてくれた｡
｢どうしたんだ出流､顔色が悪いぞ｣
｢パパ…あか…｣
｢あか?｣
｢顔に火傷の男の人が…｣
｢!?すみません息子の顔色が悪いので僕の部屋に連れていきますね｣
｢わかりました､出流君お大事にね｣
パパの腕の中で震えているとパパが背中をトントンと軽く安心させるように叩いたのを感じ少し安心して息を吐いた｡
TIME.95ミステリートレイン(安室目線)→←TIME. 93ミステリートレイン
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イズミ | 作成日時：2018年9月12日 19時
