TIME.82 ページ33
僕出流、僕は猛烈な目眩に襲われている。体調不良とかではなくて精神的な感じ。
「一時間くらいで迎えに来てくれるって!」
「そうなんだ、思ったより早くて良かったよ」
本当は良くない、凄く良くない。僕の目眩の原因は目の前に居る藍ちゃんだ、本来なら両親の再会を喜ぶべきなんだろうけど僕の第六感がこれ以上は危険だと僕に訴えかけてくる。
「ママが迎えに来てくれるんだって、待ち合わせ場所は観覧車のところで待ってなさいと言われたの!」
「そうなんだ、待ち合わせ時間まで一時間あるから何か飲み物を買ってくるよ」
混乱と動揺を隠すため藍ちゃんから離れ少し離れた売店へ足を走らせた。さっきから胸の奥がざわざわして落ち着かない、この感じは前にもあじわった事がある…ジンと会ったあの死を匂わせるようなあの気持ち悪い感覚と全く同じ。
「なんでこんな嫌な感じするんだろう…」
とにかく長い時間藍ちゃんと離れるわけにはいかないからジュース買って早く戻ろう…
「ごめん、待たせちゃった?」
「ううん大丈夫平気だよ、ジュースありがとう」
藍ちゃんにジュースを渡し近くのベンチでたわいもない話をして親の迎えを待つ。藍ちゃんはワクワクして待っているけど僕は心臓バクバクで張り裂けそうで笑顔を作ろってるのもやっとだ。
「あっママ!!」
「藍探したじゃない、あまり心配させないでちょうだい」
「あの人が藍ちゃんのお母さんなの?」
藍ちゃんのお母さん…どう見ても外国の人なんだけどこれはいったいどういう事なんだろう。養子とか?
しばらく二人の会話を聞いてると藍ちゃんのお母さんに見られた。
「私の娘を救いだした紳士は誰かと思ったらリトルバーボンじゃないの、噂通りバーボンの生き写しなのね」
「リトルバーボン?出流くんコードネームあるんだ!凄いコードネームある人って凄い人なんだよ!」
「えっ…あっ…うん…」
あぁ…やっぱりそっちの人だったのか…僕の予感的中してしまったじゃないか、リトルバーボンはただ僕がバーボンの息子だから呼ばれているのであって僕はそっちの人ではない。そしてさっきから動けない、これが蛇に睨まれたカエルの気持ちなのか…
「さっ帰るわよ、ボーイフレンドにお別れを言いなさい」
「はーい、出流くんありがとう出流のおかげでママに会えたよ!また遊ぼうね」
「ママに会えてよかったね…」
「またねリトル、バーボンによろしく」
親子が去った後僕はしばらく動けなかった。
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作者名:イズミ | 作成日時:2018年9月12日 19時