おかえり。待ってた。

おかえり。待ってた。 ページ37

今日は、転校先の学校にいく日。

道に大きな桜の木があった。

私はそっと、桜の樹の下で祈る。

どうか、素敵な学校生活になりますように。

「なーにしてんのさ。」

貴「…？」

突然知らない人に声を掛けられ

戸惑う。

でもどこかで懐かしみのあるそんな声だった。

「おかえり。」

私を愛おしそうに見つめる彼は

どこか一度見た事があった。

業「A。おかえり。」

貴「…！！」

名前を呼ばれた。

業「ねぇ。

俺はずっと…Aが好きだった。」

貴「うん…。

こんなことって…あるんだね。」

業「冗談で言ったつもりだったの？」

貴「半分はね。」

業「でも本当になったよ。

おかえり。A」

この人はずっと、

私を待っててくれてた。

私はもう、暗殺者じゃない。

この恋を…

カルマがくれた愛を…

私は受け取ってもいいですか？

業「で？返事は？」









貴「ただいま。カルマ。」

あの時のキスを上書きするように

キスを何回も落とすと…

業「待ったんだけど。」






そう一言つぶやいた。

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