21 ──── 閉じ込められた密室 ページ21
( 黛 )
さっき通った道、道から少し外れた山のあたり。
一つのトラックが置いてある。
側面に雪の絵が書いてある、トラックが。
『マイナス20℃ の、
走る冷凍庫…』
「これだよ！これだよミコト！」と隣にいたミコトに声を掛ける。
これなら、花ちゃんを凍死させた状態で運ぶことだって出来る。
「雪…」
隣に置いて蛇口から流れているものは、
──── 温泉？
「久部くん、
あそこの塩採取しといて」
「はい」
その声を聞きながらトラックの鍵を外した。
「黛さん、
マズイですよ」
私の腰の位置くらいにあるトラックによじ登ると、少しだけ冷たい空気が肌を刺した。
ライトを照らすと下に落ちていたのは、
『──── 結束バンド』
私とともにトラックに乗っていた久部くんの腕を取ると結束バンドを手首に当てた。
『手首に出来た傷、
柱じゃなくてこうやって手首と手首を結ばれた痕だとしたら…』
「売られていたおにぎりとサンドイッチ、
胃の中にあったのはその半分の量。
誰かと分け合って食べていたとしたら？」
まだ…被害者が、いる？
『っ、ミコト、
すぐに中堂先生に連絡して！
毛利さんにも！』
「うん」
そう言うとミコトはトラックを飛び降りてすぐに電話を取り出した。
ゆっくり遠くへ歩き出した。
壁にかけてあるメモ帳、右下に書きかけの文字がある。
『っこれ』
すぐにダイイングメッセージの写真をメモ帳の上に重ねた。
『これだ、伝えたかったこと…』
──── ユキオトコノイエ
──── タスケテ花イル
『花はカンキンされているもう一人の名前』
「っ、行方不明の松倉花」
「なんでこういう時に誰も出ないのよ…」
遠くでミコトの声がした。
その時、何かが床に倒れる衝撃音がして。
『…ミコト、？』
そう出口に向かおうとした、その時だった。
トラック内が一瞬にして暗くなる。
いきなり駆け出した久部くんが、何かの衝撃で倒れ込んだ。
『っ久部くん！
ちょっと、ちょっと開けて！』
ゴー、という何かが作動した音とともに、
トラックの中が白く曇り出した。
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あんず。 - 総コードじゃなくて、水の硬度じゃないですか？あと、亜州酸じゃなくて、亜硝酸だと思います。貯水地に含まれる成分なので (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7a53a4dd7e (このIDを非表示/違反報告)
杠(プロフ) - 今、アンナチュラルにどマりしているところ、の小説は嬉しいです！と少し気になったのです美澄ミコトではなく、三澄ミコトだと思います！！これからも楽しみにしています！！ (2018年1月28日 10時) (レス) id: 7c452d0c7b (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - ポメさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです（；_；）これからもよろしくお願いします！ (2018年1月25日 21時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 若菜さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！この先も頑張りますのでぜひ楽しんで読んでください！！ (2018年1月25日 21時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
ポメ - すごい文才だなぁ。凄いなぁ。面白いです∧∧ (2018年1月24日 0時) (レス) id: 4385b4fd2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年1月20日 0時
