トビオの複雑なこころ ページ35
「あ、そうだ。市橋とどうなの？上手くいってんの？」
久しぶりに家に帰ってああ幸せだな、なんて感じていたらわざわざ蓮子が家にまで来てくれていた。
蓮子といてもやっぱり市橋と二人でいたあの事がどうしても頭をよぎる。
「えっ、何それ」
「え、お前ら付き合ってんでしょ？」
「なわけないじゃん！」
「だって楽しそうに一緒に歩いてたじゃん」
「ああ、違うよ。二人でトビオ捜してただけ」
「そうなの？そっか、へぇ」
「あいつそんなに悪いやつじゃないよ」
いやそりゃそうでしょうよ。
女子の前でも俺らの時みたいに矢波高のトップ張ってますが何か？的な感じだったら、余計に恐ろしいわ。
「それに市橋にはAがいるからねー」
「…やっぱり付き合ってんの？あの二人」
「あれ？トビオ知ってたの？」
「え！？あ…いや、迎えに来たり、してたし」
ヤバイ、普通にバレるところだった。
いきなり出たAちゃんの名前に思わず動揺してしまう。
まあAちゃんの家に転がり込んで？…勝手に一線越えちゃって？Aちゃんがいないうちに家から出てきてしまった。
あの手紙だって今になっては恥ずかしくて仕方ない。
「そうなの！なんか市橋がいきなり告ったらしくてね、Aはもちろんあいつのこと知らなかったから最初は戸惑ってたんだけどね」
「…そう、なんだ」
「でも今じゃ二人で会ったりしてるみたいだから、くっつくのも時間の問題じゃないかなー」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「俺は、Aが必要。Aにも俺が必要。それだけじゃ、ダメ？」
「市橋が忘れられなくてもいいよ」
「ただ、そばにいてくれれば。それだけで」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
最低だ、俺。なんてこと言ったんだろう。
ただ自分の中に広がる空虚感を埋めたくて、Aちゃんの気持ちだって全く考えていなかった。
俺のことが好きだった、なんて告白に調子に乗ってしまった。
…今思えば、過去形、だもんな。
「市橋また怪我して入院してるみたいだけど。ねえ、今度一緒にお見舞い行かない？Aにも会えるだろうし、誤解だって分かったんだから市橋にもちゃんと会って話したほうがいいんじゃない？」
「…うん。そうだね、うん」
どんな顔でAちゃん会えばいいんだろう。
市橋と上手くいってるんだね、良かった。
…なんて言葉、俺には言えるんだろうか。
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狛犬のリサ(プロフ) - あーあ、やっぱり夢主はトビオじゃなくて市橋かぁ…けっ…作者は最高でドラマも最高だったし…トビオ落ちだったらもっともーっと最高だったのになぁ (2019年1月22日 2時) (
レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
みい - いつも楽しみにしてます！トビオおち分岐ありがとうございます！トビオと結ばれて欲しいと思ってたので嬉しいです (2017年9月27日 16時) (レス) id: 788e2e4591 (このIDを非表示/違反報告)
はる坊(プロフ) - この前はトビオオチが見たい！とコメントさせていただきましたが、正直私もどっちも見たいです。どちらも書いてくださるというお話すごく嬉しいです！！頑張ってください！！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: 0e6de27daf (このIDを非表示/違反報告)
前田ちかね(プロフ) - 市橋くんオチがいいです！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: f96c4eb485 (このIDを非表示/違反報告)
emu(プロフ) - 今日の回は昼顔っぽくて面白かったです！めっちゃ好きですこの感じの＞ω＜ (2017年9月2日 1時) (レス) id: 7e03b267ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年8月8日 18時
