地獄への階段 ページ22
あれからいつの間にか眠ってしまっていたようだった。
机の上に置いていた携帯の振動音で目を覚ました。
その横に山積みになったティッシュの山に一瞬にして現実に引き戻される。
私と増渕くんは、もう友達なんかじゃない。
友達じゃもう、いられない。
そんな複雑な気持ちのまま携帯を手に取ると表示されている「正樹くん」の名前。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「…Aちゃんのこと好きになっちゃったからかも」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
そう考えれば市橋くんの告白があって以来、私には受け止められないほどの出来事ばかり起こった。
…正樹くんと由佳は、どうなったんだろう。
震える携帯を持ちながら増渕くんを起こさないように部屋から出てリビングにやって来た。
『…もしもし、』
「っごめんAちゃん、いきなり」
『ううん…どうかした？』
あんなことがあっても普通に接せられるほど私も強くない。
それでもやっぱり正樹くんにはいろいろ助けられた恩があると、勝手に思っているから。
「この前はごめんね、困らせちゃって」
『…私こそごめんね。ビックリしちゃって、その…』
「あれはもう忘れてくれていいから」
『…いや、でも』
「優しい正樹くんのままでいたいからさ」
そんな正樹くんの言葉に、どれだけ救われただろう。
こんな私にも優しく接してくれる人がいる。
私の人生もまだ捨てたものじゃないのかもしれない。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「何だよ、あれ」
「マジうぜえな」
「有原、電話もういいのかよ」
「ああ、なんつーの？あいつで言う所の、エサ？みてーなもんだから」
有原はそう言うと市橋を睨みつける。
「つかやっちゃうか、蓮子」
「ははっ、いいね」
「…いや、やるならもっと面白いやつじゃねぇと」
「誰だよそれ」
「…ふふ。とことん落としてやるよ、最高の地獄ってやつに」
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狛犬のリサ(プロフ) - あーあ、やっぱり夢主はトビオじゃなくて市橋かぁ…けっ…作者は最高でドラマも最高だったし…トビオ落ちだったらもっともーっと最高だったのになぁ (2019年1月22日 2時) (
レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
みい - いつも楽しみにしてます！トビオおち分岐ありがとうございます！トビオと結ばれて欲しいと思ってたので嬉しいです (2017年9月27日 16時) (レス) id: 788e2e4591 (このIDを非表示/違反報告)
はる坊(プロフ) - この前はトビオオチが見たい！とコメントさせていただきましたが、正直私もどっちも見たいです。どちらも書いてくださるというお話すごく嬉しいです！！頑張ってください！！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: 0e6de27daf (このIDを非表示/違反報告)
前田ちかね(プロフ) - 市橋くんオチがいいです！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: f96c4eb485 (このIDを非表示/違反報告)
emu(プロフ) - 今日の回は昼顔っぽくて面白かったです！めっちゃ好きですこの感じの＞ω＜ (2017年9月2日 1時) (レス) id: 7e03b267ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年8月8日 18時
