市橋に反乱の旗が ページ2
『っどこ、いったの、！』
あれから全速力で増渕くんを追いかけたつもりだったけど、どこにもその姿はなかった。
市橋くんを置いて増渕くんを追いかけたのが、正しかったのかなんて分からない。
誰にでも優しく振舞っている振りをして、結局私は自分のことしか考えていない。
こんな私でも市橋くんは迎えてくれるって、そう自惚れていたんだろう。
きっとまたあの笑顔で笑ってくれる時が来ると、信じていたかったんだろう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
増渕トビオを捕まえてから市橋くんの言う通り、人目につかない場所に連れていこうとした時。
逃げてばっかりだったあいつにいきなり殴られた。あまりの一瞬の出来事に俺も反応すら出来なかった。
そして市橋くんを巻き添えに倒れ込んだ。
すぐに市橋くんを心配して駆け寄ってきたAちゃん。
やっぱりAちゃんの心は確実に市橋くんに傾きつつあるだろう。
そのAちゃんの姿を見て増渕を睨みつける市橋くんは、何かを守ろうとしている獣のようなそんな目つき。
…いつもの俺らが慕っていた目じゃねえ。
そう違和感を感じた。
市橋くんの恋はそれなりに応援していたつもり。だから出来る限りのことはしたし、Aちゃんのことだって嫌いじゃない。
だけど、今の市橋くんのことをAちゃんが選ぶことに納得出来ない。
俺らが手伝わねぇと何にも出来やしない癖して。
そう市橋くんに反感を抱き始めた。
だからAちゃんが市橋くんの手を離して増渕の元へ行ったことが、何だか無性に嬉しかった。ざまあみろって、そう思った。
その追いかけるAちゃんの後ろ姿に「…A、」と成す術なく倒れ込むその姿が情けなくて仕方ねえ。
「エサ、エサがいる」
拳銃型の水鉄砲を触りながら市橋くんが告げた。確かに増渕たちを捕まえるにはもう何かを利用するしか方法は無い。
「…お前の女、凡下高だったよな？」
そう右の口角を上げる市橋くんにふつふつと怒りがこみ上げた。
自分女を棚に上げて、人の女を使えとそういうことか。
「…Aちゃんじゃ、ダメなんすか」
俺がそう告げた瞬間目の色を変えて「ぶっ殺されてえのか」と睨みつけられる。
Aちゃんのことになると周りが見えなくなる市橋くんは本当に情けない。
みんなに恐れられる矢波高のトップの弱点を、掴んでしまった俺は、どうするべきなんだろうか。
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狛犬のリサ(プロフ) - あーあ、やっぱり夢主はトビオじゃなくて市橋かぁ…けっ…作者は最高でドラマも最高だったし…トビオ落ちだったらもっともーっと最高だったのになぁ (2019年1月22日 2時) (
レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
みい - いつも楽しみにしてます！トビオおち分岐ありがとうございます！トビオと結ばれて欲しいと思ってたので嬉しいです (2017年9月27日 16時) (レス) id: 788e2e4591 (このIDを非表示/違反報告)
はる坊(プロフ) - この前はトビオオチが見たい！とコメントさせていただきましたが、正直私もどっちも見たいです。どちらも書いてくださるというお話すごく嬉しいです！！頑張ってください！！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: 0e6de27daf (このIDを非表示/違反報告)
前田ちかね(プロフ) - 市橋くんオチがいいです！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: f96c4eb485 (このIDを非表示/違反報告)
emu(プロフ) - 今日の回は昼顔っぽくて面白かったです！めっちゃ好きですこの感じの＞ω＜ (2017年9月2日 1時) (レス) id: 7e03b267ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年8月8日 18時
