8 ──── 脅迫状 ページ8
「佐野祐斗さんです」
久部くんの声とともに運ばれてくるご遺体。
「──── 始めます」
────────────────
「左側頭部に陥没骨折、耳介からも出血が認められる」
「血液からは睡眠薬などの薬は検出されなかった」
「了解」
佐野さんのご遺体からの薬の検出はなし、か。
隣の解剖台で違う方のご遺体を見ている私は少しだけ佐野の解剖が気になる。
「神倉さん、もっとしっかり持って！」
「血で滑るんです。
あんまり見たくないし」
「おい黛！」
『、ああ、所長。
私変わります』
いつもより順調に行かないのが気に食わないのか限界を迎えた中堂先生。
私は慌てて所長と中堂先生の間に滑り込んだ。
「損傷26、左肩の擦り傷…
5センチ×3センチ。
損傷27、左肘の擦り傷…
5センチ×3.5
その下にカサブタになった擦過傷あり」
何もすることがなくなった所長に中堂先生がご遺体の撮影を頼むと脚立の上に「上るの？！」とかなり驚いているよう。
「そのフレームじゃないと入らない」
「高いよ落ちたら危ないし」
「あー使えねえ」
「そんな言い方ないでしょ、坂本さんの代わりがいないから仕方なく手伝ってるのに！」
恐る恐る脚立を上る所長に中堂先生が不満をこぼした。
この人にとっては上司であろうと部下であろうと、関係はないのだろうか。
「久部、変われ」
「っえ、」
「ちょ中堂先生、
私撮りますから！」
慌てて所長の手からカメラを抜き取った。
( やばい、疲れる今日は… )
「あの、それいつからありました？」
そう指さした久部くんの手元を追うと一枚の紙。
「お前のしたことは消えない。
裁きを受けろ」
「脅迫状？」
「金田一少年なら殺害予告」
「怖いこと言わないで下さいよ」
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ゆう - 素敵な小説ありがとうございます。続編楽しみに待っております！ (2018年3月17日 16時) (
レス) id: e85ad242c1 (このIDを非表示/違反報告)
あーぽん - めっちゃ面白いです！木林さん好きなので次がきになります！ (2018年3月17日 12時) (レス) id: 54c07bea64 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - アイリスさん» はじめまして、ご指摘ありがとうございます。誤字を訂正させて頂きました。お手数お掛けしすみません。これからも檸檬のなみだを宜しくお願いします！ (2018年3月4日 16時) (レス) id: 2d039b8cab (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。誤字報告、ご指摘をさせていただきます。8の「激を飛ばす」は「檄を飛ばす」が正しいです。また「檄を飛ばす」という表現よりも「不満を漏らす/零す」が適切だと思います。出すぎた真似でしたらすみません。 (2018年3月3日 22時) (レス) id: 2bfa349df7 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - にしじまさん» 初めまして！コメントありがとうございます（；_；）なんて嬉しいお言葉、、がんばります！！！ (2018年3月2日 13時) (レス) id: 2d039b8cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年2月20日 23時
