俺がいる。【伏黒恵】2 (ページ12)

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62話ページ12

釘「伏黒ぉ、楽しそうね～あんた一回戸塚さんに会ってくればぁ？」

伏「お前な…」

釘崎の言った事とは真逆の心境の伏黒。全面否定しないのには理由が2つある。1つはAが楽しそうに話してるのを見たら否定することができなくなったのと、2つ目は単純に戸塚を否定して嫌われたくないから。

話を聞きたくないならそれなりの理由をつけて、その場を後にすることなんていくらでもできる。けどそうしないのは、Aと一緒にいたいから。昼間自分といなかったのを穴埋めするかのように、1秒でも長く同じ空間にいたいのだ。

『戸塚さん本好きって言ってて、恵も本好きだし合いそうだなって思ったんだ！今度一緒に会ってみよう』

伏「…あぁ」

『じゃあ近々皆での任務もあるし、その後にでも予定聞いとくね』

戸塚といる時でも自分の事を少しでも考えていた事が嬉しく、つい肯定の返事しか出ない伏黒。そのおかげで、話はトントン拍子に進んでいった。

_______数日後

新「6月金田太一、8月島田治、9月大和広、3人とも同じ状況で死んでるんスよ。自宅マンションのエントランスで呪霊による刺殺。しかも全員死ぬ数週間前から、同じ苦情を管理会社にチクッてる」

この日4人の任務にあたる情報を説明しているのは、今回担当になった呪術高専補助監督の新田明。4人はタブレットに記載される情報を目にしながら新田の話を耳に入れていた。

伏「でも日付も場所もバラバラ。同じ呪霊にやられたんですか？」

虎「なぁなぁ自動ドアって呪霊のせい？センサーとか引っかかんの？」

新「ドアオペレーターの方が呪霊によってバカになってたみたいっス。で同じ呪霊かって話しっスけど、時間も空いてたし残念だけど断定出来なかったっス」

『歳も近いし実は友達だったとか、何か3人の共通点とかないんですか？』

新「着眼点がいいっスね。実は3人とも同じ中学に2年間同籍してたっス」

釘「…昔3人が同じ呪いを受けて、時が経ってそれが発動したって感じ？」

新「そうっス。それが濃厚っス」

虎「龍ヶ崎も釘崎もスゲー！」

こうして呪術師視点で、その中学と共通の知人から話を聞き探る事になった。