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第103話 ページ4

「さすがギリカナン 理事長。バスにまで細工をするなんて素晴らしいです。…その小賢しさは尊敬に値しますね。」


Aは、にっこりとした笑みを称え画面の中の老人を見つめた。整ったその顔立ちからは感情が読み取れない。しかし、発せられた最後の言葉から、彼女が老人に抱いている思いは容易に読み取れた。
そんな彼女の態度が癪に触ったのか、老人は眉間にシワを寄せた。


「…言葉を慎め、小娘。」


低い声でそう言われても、彼女の顔色は変わらなかった。相変わらずの笑みを浮かべたまま、戯けた調子で言葉を続ける。


「あら、お気に障ったのならごめんなさいね。…でも、その命令はお受けできません。」


突然真剣な表情になった少女を、一星は驚いた顔で見つめる。断りたくても断れない、そんな状況のはずなのに、目の前の少女は堂々としていた。


「ふっ、愚かな事を…。君はどうやら自分の立場を理解していない様だね。」


老人の低い声を聞いても、少女は怯む様子を見せず凛とした瞳で画面の中の老人を見下ろしていた。


「いいえ、理解しています。私たちの役目は、理事長も仰ったように日本を予選で敗退させること。彼らを傷付けることではありません。…増してや、そんな犯罪じみた行為に手を染める謂れはありませんよ。」


普段よりもかなり低めの、意志の強そうな声で言葉を発するAを見て、一星の瞳が大きく揺らいだ。彼女の言った事は、一星も思っていた事だった。
しかし、彼女の言葉を黙って聞いていた老人の高らかな笑い声で、一星は再び表情を強張らせた。


「いやはや、流石だね君は…。実に惜しい人材だよ。だが、その聡明さが身を滅ぼすという事も知って貰わねばならない様だね。」


老人のその言葉に、一星は思わずAの腕を引き、彼女を守るかの様に老人の前へと立ちはだかった。


「やります!俺が、やってみせますから…!」


Aの述べた言葉は、彼の思いそのものだった。しかし、彼にとってはイナズマジャパンが傷付くことよりも彼女が傷付く事の方が堪え難かった。ここで自分が黙っていれば、オリオンは間違いなくAを標的にする。それだけは避けたかった。


「…うむ、それで良い。」


老人は一星の顔を見て満足げに頷いた。そして、一星の後ろで何か言いたげな顔をしているAの方を見ると、低い声でこう言った。

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エル(プロフ) - かなりさん» かなりさん、初めまして。嬉しいお言葉ありがとうございます…!!頑張って完結させますのでこれからも宜しくお願いします。 (2020年5月23日 21時) (レス) id: 48e524db4d (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私は、この小説が大好きです!!ずっとこの小説のコメントが書けなくてごめんなさい。でもこの小説はドキドキしながら読んでいます!これからもずっとこの小説を最後まで続けて欲しいです!!これからも体に気をつけて頑張って下さい!ずっと応援しています! (2020年5月23日 21時) (レス) id: d3ceb655af (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - かなえさん» ご感想ありがとうございます!返信遅れて申し訳ありません(/ _ ; )嬉しいお言葉を頂けてとても励みになります!今後も宜しくお願いします。 (2020年2月17日 18時) (レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» 名無しのりんごさん、ありがとうございます!返信遅れて申し訳ありません(/ _ ; )諸事情で更新頻度落ちてるんですけど、必ず完結させますんで今後も宜しくお願いします! (2020年2月17日 18時) (レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
かなえ - 私は、超語彙力がないんです!うらやましい!すごく面白かったです!シリアス展開で、ボケ要素少なめの真剣な感じで、なんかこう……ビリビリきました!ずっと応援しています! (2020年1月11日 21時) (レス) id: a03bb62dba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニーナ | 作成日時:2020年1月4日 18時

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