XI-4 ページ4
・
《それが全てだった。ただそれだけなの。
…苦しいよミコト。苦しい。
私はもう耐えられない。》
少し鼻の詰まった声
容易に想像できる顔
きっと今Aは必死に泣くまいと堪えてる
《姉さんがいなきゃ、家にも帰らない。
姉さんがいなきゃ、ちゃんとしたご飯も食べない。
姉さんがいなきゃ、笑ってくれない。
…私じゃだめ。
それにね、系さんが姉さんをどれだけ好きだったかなんて
私が1番よく知ってるの。》
痛いよ、A
張り裂けそうなくらい痛い
誰よりも系さんを見てきたAだから、
固定概念を壊せないままなんだ
系さんは姉さんが好き
姉さんは系さんが好き
誰よりも近くで見てきたAだから、
誰よりもその事実を崩したくないんだ
自分が信じ続けてきたものを壊したくない
《半分だけど姉さんと同じ血が流れてると思ってた。
姉さんと同じ人を好きにもなった。
でも違った。
姉さんとは赤の他人だった。》
何度も口にして、自分に暗示をかけてるように見える
今までの誰にも頼れなかった環境が、
Aをこうさせてしまったんだ
《死んだ人にはかなわないってよく言うでしょ？
でも違うの。
私は、姉さんにかなわないの。
そんな姉さんがいなくなっちゃって、
もう二度と会えなくなっちゃって。
もう絶対かなわないの。》
三「そんなこと、」
《そんなことあるんだよ。
8年ぶりに解剖室で姉さんと会ったあの時、
2人は白雪姫と王子様みたいだった。
ガラスの棺の中で眠っている白雪姫と
ソレを迎えに来た王子様。
…お似合いで、綺麗だったよ。》
電話越しに悲しく響く声
Aの底からの本音を聴いた気がした
・
電話の奥でアナウンスの音が聞こえる
《あ、そろそろ行かなきゃ》
三「待って、A」
《じゃあね、ミコト。元気でね。》
三「待って！」
《いままでありがとう。》
それを最後に電話は切れた
・
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灰かぶり(プロフ) - すごく好きな作品で、一気読みしました。続きが気になります。更新、楽しみにしております。体調にもお気をつけください。 (9月12日 23時) (
レス) @page30 id: 54c03ac678 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月23日 18時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 久々に思い出し読みましたが、更新は途絶えたままのようで停止中？完結に至っておらず読めず残念です。 (7月15日 22時) (レス) id: 0a9854232a (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - もう一つの事件どう言った終わりを迎えるのか楽しみです！無理のない程度に更新楽しみにしております。 (2023年3月30日 22時) (レス) @page30 id: 7dcc1603c8 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！最近は仕事を頑張るモチベーションにさせてもらってます。更新を楽しみにして待ってます。 (2022年8月17日 19時) (レス) @page30 id: aa4d38c827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナホ | 作成日時：2018年4月20日 0時
