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『暗っ! お前の顔暗っ!!』
そう言って私の顔を覗き込み、眉をひそめる。「うるさいです」とあしらえば、鼻から溜め息を吐かれた。
『お前なァ、この職業は表情大事だぞ』
『死んだような顔してる人に言われたくないです』
『ぶっ殺すぞクソ女』
そんな物騒なことを言うのは、私が教員免許を取るために教育実習に来ている高校の先生であり、名前は坂田銀時。
つまり、あのレンタルショップでいかがわしいDVDを借りまくっていた常連の坂田さんだ。
なんとも偶然で、こうして彼の元で私は教師を学んでいる。
『……なに、沖田くんと何かあったの?』
『別に』
『それ古いから』
煩わしくなった私は坂田先生から顔を背ける。ガシガシと頭を掻く彼は、今度は仕方ないと言ったような息を吐いた。
『今日飲みにでも行くか?』
『坂田先生の奢りですか?』
『バカヤロー。給料日前だ、折半に決まってんだろ』
『クズですね』
私の呆れ声に彼が「うっせェ」と返していれば、担当する教室の前に辿り着く。頬を両手で挟み、切り替えようと深呼吸した。
「よし」と胸の中で意気込み、扉を開ける。
無理やり口角を釣り上げて、教室で待つ生徒に「おはようございます」と声を上げた。
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時