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『あれ、沖田くんじゃん』



俺の前に停まった原付き。ヘルメットをかぶるアホ面は三年前から変わっていない。

しかし、「これだ」と思い、俺は坂田の胸ぐらを掴む勢いで飛びついた。




『乗せてくれ!』

『は?』

『今すぐ行かなきゃなんねェ所があるんでさァ』




頼む、とこの男に頭を下げる自分の不甲斐なさに呆れるが、そんな悠長なことを考えている場合ではないのである。




『えー、俺、女しか乗っけねェって決めてんの』

『乗っける女なんていねェでしょう』

『おい』



「まあ、いいよ」と言って俺にヘルメットを渡す。それを有り難くいただき、頭に被った。

後ろに乗ったことを伝え、坂田はアクセルを踏み込む。風とエンジンの音が耳に五月蝿く入ってきたが、そこに前方からの声も追加される。




『Aと仲良くやってんの?』

『……まあ。この間も、あんたのことを社会不適合者って呼んでやしたよ』

『それ関係なくね?』




ブツブツと文句を言いながらも結局は俺の頼みを聞いてくれるこの男は、恐らく面倒見が良いのだろう。

ロクに話したこともないし、散々な態度を取っていた俺に対しても、こうして手を差し伸べてくれた。



きっと、俺と彼女の関係に気付いて居るはずだ。それでも知らないフリをして変に気を使わない。


Aがこいつを嫌いにならない理由が分かる。嫌味を言われても、人柄に惹かれてしまうのだろうな。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 神威、坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2017年7月25日 11時

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