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『……俺さ、バカなんだよ』
彼女がいてもイカガワシイDVDは借りるし、そういう事が好きなのに、本当に好きな女には同じ事が出来ない。
好きな女の気持ちが分かりたくて少女漫画の実写化映画を借りたし、優しくしないと離れていくような気がして、映像を見て欲求を晴らすような奴だ。
『神威に教えたら取られる気がして、全然お前のこと信じてなかったんでィ』
Aが俺にくれていた想いの全てを、自分自身で否定していた。彼女は何度も何度も伝えてくれていたのに、カッコ付けて受け取らなかったのである。
自分で取り零していたにも関わらず、それを他人のせいにしていたのだ。
『お前はいつも、こんな俺の傍に飽きずに居てくれてたのにな』
隣を見れば彼女が居て、寒いと言えばくっつく彼女が居て、「楽しいですね」と笑うAが居た。
それは、当たり前じゃないことぐらい分かっていただろう。……なのに、何処かで慢心していたのである。
『……ありがとな、A』
いつの間にか寝息を立てているA。一体どこから聞いてなかったのか分からないが、思わず笑いが込み上げた。
目にかかっている前髪をどかし、髪を梳いて耳を出す。そうして彼女の耳朶を摘み、ポケットから出したピアスを付けた。
片方は枕の下にあって付けれないため、ポケットにしまい直す。
部屋を出る直前、もう一度彼女の方を振り返り、俺はAに、次会った時は必ず自分の想いを伝えることを約束した。
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時