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『おーい、まだ落ち込んでんの?
……って、なんか顔赤くね?』
坂田先生はそう言って私の額に手を合わせる。すると「熱っ」と慌てて手を離した。
熱じゃないのかと聞かれるが、確かに朝から身体は怠いし頭も痛い。
もしかしたら彼のが移ってしまったのだろう。とんだ迷惑な奴だ、と胸の中で彼を恨み、浅い溜息を吐く。しかしその瞬間身体はぐらつき、坂田先生に支えてもらった。
『今日はもう帰れ。
今は昼休みだし、校長の車で送ってやっから』
『でも、今日友達と会う約束してるんですよ……』
神楽に昨日の夜、大丈夫かという旨のメールを貰い、色々と話したいこともあって、今日の夕飯を一緒に食べる約束をしている。
だが坂田先生は私の意地を「バカ」の一言で片付けてしまい、私の腕を引いていく。
『バカは風邪ひかねェのにな』
『……バカな人ほど、風邪をひくんですよ』
彼然り、私然り、バカな人ほど天罰のように風邪をこじらす。
坂田先生は私を横目に見るも、何も聞かずに私を車の中へ押し込んだ。そうしてハンドルを握り、「着くまで寝とけ」とルームミラー越しに言う。
それに甘えて目を閉じるが、今日の約束に行けないことを神楽に謝らなくてはならないし、レンタルショップの店長に顔を見せろと、執拗に連絡が来ていたことも思い出す。
前者は後でメールするから良いとして、後者はもう至極どうでも良かった。
もう、何だかみんな面倒くさい。
これ以上考えると息をするのも億劫になりそうなため、浅い息を吐いては目を固く瞑る。
目が覚めた時、全部夢だったらいいのに
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時